レンズの用途分類

無計画にレンズを増やしてきたが、少し整理したいと思い、どのような場面でどのようなレンズが欲しいのかを考えてみた。

ざっくり①趣味レンズ、②旅行レンズ、③散歩レンズ、④特殊用途レンズ(その他)の4つに分けることにした。これは何をメインに撮る人かによって変わるので、他人には参考にならないと思う。

①趣味撮影レンズ

写真を撮ることを目的に外出する際に持っていくレンズ。1回に数本持ち出し、多少重くても、画角を全然カバーしていなくてもいい。使いにくくても、MFでも一向にかまわない。ただ、このレンズで写真を撮りたい、と思えるレンズであればいい。

まぁ、ここには際限がないので、ほどほどにする必要がある

私の場合は、Planar 45/2 (G)やSummicron-R 50mm、FA77/1.8 Limited、XF56/1.2 APDなど。

超使いにくいSigma DP2 Merrill

②旅行レンズ

写真が趣味でない人と一緒に旅行する際に持っていくレンズ。要件は携帯性と、欲しい画角レンジをカバーすること。高倍率ズームか、旅先によっては広角ズームがいい。これに加え、明るい標準単焦点が1本あるとなおいい。

ズーム、AFはほぼ必須。旅行先では足ズームは使えないと思うべし。レンズ交換も最小限に、昼はズーム、夜は単焦点くらいに割り切る。

具体的には28-200mm、24-120mm、20-70mm、広大な旅先では16-35mmなどがいい。F2.8は要らなくて、軽いF4などの方がいい。カメラとレンズ合計で1kgは切りたい。

私の場合はX-T2 + XF18-135mmだが、これでも1kgを少し超える。なおPentax K-1 + D FA15-30/2.8だと計2kg超・・・筋トレかな?

旅行に最適 Fujifilm X-T2 + XF18-135mm

③散歩(スナップ)レンズ

スマホには撮れない写真でなければ意味がないが、持つレンズは1本だけ、という縛りがポイント。フルサイズでF2.8(APS-CだとF2)以下で中広角~標準の単焦点がいい。

パンケーキレンズがいいが、それだとあまり選択肢がない。GRを持っている人は、GRがこれになるんだろうなぁ。

私の場合は、Nokton Classic 35/1.4や、Heliar 40/2.8など。

DA21とDA40のパンケーキ2枚で旅したヨーロッパ
(Pentax *ist DS + DA21/3.2 Limited)

④特殊用途レンズ

私にとっての特殊用途(=その他)であり、他の人は知らない。

例えば、

  • 取材(記録)なら広めの標準ズーム
  • 花撮り、物撮りならマクロレンズ
  • ポートレートならボケがきれいで明るい中望遠
  • 鳥を撮るならメートル単位の超々望遠
  • スポーツや飛行機、レースなどを撮るなら超望遠ズーム
  • 結婚式など人が主役のイベントを撮るなら明るい標準ズーム(+バウンスできるストロボ)
  • 動画は撮らないのでよく知らないが、静かなパワーズームとか?
  • 水中写真なら水中用ハウジング
  • 星景写真ならF値が明るく開放から全面がよく解像して周辺減光や歪みや色収差やコマ収差の少ない超広角単焦点(ぼかさないので、ボケはどんなに汚くてもいい)
  • 筋トレならF2.8通しズームや超望遠単焦点

・・・など。だが、あれもこれも揃え始めるとキリがないので、できるだけ足を踏み入れないのが賢明

流したらどうせ、背景はボケているのかブレているのか分からない
(Pentax K-1 + DA★300/4)

特に星には手を出してはいけない。天気運と高級機材と時間がたんまり必要な割に、誰しも似たような写真しか撮れない(なお最低限の知識と運さえあれば、平均点は高い)。彗星でも来ない限り、そこにもうフロンティアはない。

この5日後、アイソン彗星は消滅した・・・明るくなるのを待っていたのに

レンズと用途まとめ

持っておくといいと思うレンズ

まとめると、個人的にラインナップを揃えるといいと思うのは以下の通り。
(不要 ××<×<▲<△<〇<◎ 重要)

分類必要度用途
明るい標準単焦点
(40~50/1.4~1.8あたり)
趣味性も高く、(軽ければ)旅行にも散歩にも使えるオールマイティ
コンパクトな単焦点
(28~55/2あたり)
散歩レンズ
軽い(超)広角ズーム
(16-35/4あたり)
旅行で活躍
高倍率ズーム
(28-200あたり)
旅行で活躍
(超)望遠ズーム
(70-300あたり)
1本持っておくといい
多少暗くてもいい
趣味レンズ
(中望遠単焦点など)
用途とか性能とか関係なく
このレンズで撮りたい、
と思えるレンズ
必要性の低いレンズ

あまり要らないのは、上記に当てはまらないレンズ。

全体に、性能や趣味性に振ったら単焦点、便利さや持ち運び性に振ったら暗い(軽い)ズームがいいが、明るいズームはどちらも中途半端なので私には不要である。

さらに言うと、広角は明るい必要性があまりない(開放で寄っても大してボケないし、風景や建造物を撮るなら絞る)ので、明るい(重い)広角ズームはさらに出番がない。

分類必要度私にとって不要な理由
軽い標準ズーム
(キットレンズ)
器用貧乏で、これといった出番がない
F2.8級の標準ズーム×さらに器用貧乏。明るいズーム全般に言えるが、でかくて重いのに単焦点には勝てない
F2.8級の(超)広角ズーム××広角は明るい必要性が薄い(どうせ絞る)のに重い
F2.8級の(超)望遠ズーム明るい標準ズームや広角ズームよりは使い道は多い。重いけど
(超)広角単焦点××広角は単焦点(≒明るい)の必要がない(ズームの方が明らかに便利)&スマホでいい
(超)望遠単焦点×私の用途では、大体ズームの方が明らかに便利
マクロ1本持っておいてもいいがMFのハーフマクロでも十分
魚眼××飽きる(広角の代わりにはならない)

レンズ断捨離計画

ということで、考えをまとめて断捨離しようと思ったけど、メインシステムであるフジXマウントで、軽い(超)広角ズームを持っていないことに気づいてしまった。

コロナ禍のせいで中止したけれど、北海道旅行を計画していた時はXF10-24/4を買おうと思っていた。買ったらXF14/2.8と守備範囲が被るが、XF14もかなり気に入っているレンズなので、手放しがたいなぁ。悩ましい。

D FA15-30/2.8は処分するか。Samyang 12mm F2は迷う。

今後、何かレンズが欲しい!ってなったときに、この記事を見返して、「本当に必要? 何に使うの?」と自分に問いただしたい。・・・「①趣味レンズだから必要!」ってなるだけか。

追記2023/1/11

 その後考え(私の好み)をまとめると、こんな感じになった。焦点距離とF値で、下図のグリーンのエリア内のレンズは存在意義がある。
 このエリアから上にずれると、一般的にコスト・重量・サイズが過大になり(私にとって)価値が下がる。下にずれると、表現の自由度が過少になり、やはり価値が下がる。エリア内であってもその上下端ではなく、中央付近がバランスが良いと思う。

 つまり、35mmから85mm程度までのF1.8程度の単焦点はすべて素晴らしい。ズームレンズは単焦点よりも重く、写りが悪い傾向にあるので、より厳しい条件となる。最低でもズーム域の半分くらいはグリーンのエリアに入っていてほしい。標準域のズームレンズは、F2.8だろうがキットレンズだろうが価値が低い。広角16-35mm域はF4くらいがいい。70-200mm域ならF2.8が、70-300mm域ならF4.5-5.6もいい。

 もちろん、F値と焦点距離のスペックの割に非常に軽いとか安いとか寄れる(マクロ)とか、有益な特徴があればこのエリア外でも価値がある。逆にこのエリア内でも、スペックの割に重いとか高いとか寄れないとか、有害な特徴があれば価値はない。所詮は目安程度である。

 私の用途別機材一覧。

用途区分X-T2で使う想定α7Cで使う想定K-1で使う想定
明るい標準単焦点XF35/1.4FA50/1.4
小さい散歩用レンズXF35/2Heliar 40/2.8 (M)(ボディが
旅行用(高倍率)XF18-135 重いので
旅行用(広角ズーム)XF10-24/4 出番なし)
軽めの望遠ズームXF55-200DA55-300 PLM
趣味(好きな)レンズXF56/1.2 APD
七工匠 35/1.2
Nokton 35/1.4 (M)
Planar 45/2 (G)
Sonnar 90/2.8 (G)
FA31/1.8 Limited
FA43/1.9 Limited
FA77/1.8 Limited