交換レンズは3本まで

 フォトヨドバシの「交換レンズは3本までしか所有してはならない」という法律について、自分も考えてみたが、全然面白くならない。

 私の場合は、どう考えても35mmと50mmと77mmを1本ずつ残すことは明らかである。だが各焦点距離で複数レンズがあるので、そこから選ぶ必要はある。

 このレギュレーションだと、いろんなカメラで使える汎用性の高いレンズを残したくなる。なので、もはやユニバーサルマウントであるMマウントがベストで、絞りリングの付いた一眼レフ用も許容範囲。ミラーレス用や、絞りのない一眼レフ用レンズは残しにくい。

 そもそも私は所有レンズを20本以下にすら抑えられなかったので、3本なんて夢のまた夢なのだが。

 どうでもいいが、このレギュレーションでズームレンズを挙げる人とは友達になれそうにない。


①35mm近辺

現存する換算約35mmのレンズ

 「交換レンズじゃないからカウント外のX100V」で35mmをカバーするとして、枠を1本分ほかに回すぜ・・・って言いたいけど、F1.4級の35mmの味は格別なのでそうもいかない。

Rankレンズ
ANokton 35mm F1.2 III VM
Nokton classic 35mm F1.4 II VM
BNokton 23mm F1.2 X-mount(売却済み)
smc Pentax-FA31mm F1.8 Limited
Csmc Pentax-FA35mm F2(売却済み)
Flektogon 35mm F2.4
DLomogon Art Lens 32mm F2.5 K-mount(売却済み)

 上記Rank Aのレンズの2択だが、どちらも捨てがたい。

 NOKTON classic 35mm F1.4 II・・・小型軽量でかなり好きなレンズだが、癖ツヨなので場面を選ぶ。F値によって大きく変化する独特のボケと滲み。条件次第で強烈なフレアも出せるが、通常時はコントラスト良好。嫌な収差は少なく、意外と悪くない周辺画質。・・これを選んで、道を究めるのも魅力的だ。

 NOKTON 35mm F1.2 III・・・classicのF1.4と比べ、サイズは倍近くなるが、半段明るく、ボケ質も、解像感もこちらが上。歪曲もない。が、色収差や口径食はある。悩むが、最終的には優等生のこちらを残す判断としたい。

項目35mm F1.4 II35mm F1.2 III
F値F1.4F1.2
全長28.5mm + アダプター50.5mm + アダプター
質量189g + アダプター332g + アダプター
最短撮影距離70cm50cm
解像感良いかなり良い
開放での描写芯はあるがかなり滲む芯はあるが滲む
歪曲収差樽型ほぼまっすぐ
後ろボケ二線ボケ気味すっきり
絞りバネ10枚(カクカク)12枚(カクカク)
質感、操作感良い良い
フリンジ出にくい出る
周辺減光大きい大きい

②50mm近辺

現存する換算約50mmのレンズ

 前述のNOKTON 35mm F1.2をAPS-Cのカメラに付けたら50mm相当だから、枠を1本分ほかに回すぜ・・・って言いたいけど、50mm近辺は使いたいレンズが多すぎるので、そうもいかない。

Rankレンズ
AXF35mm F1.4
Nokton 50mm F1 VM
APO-Lanthar 50mm F2 E-mount
BSummicron-R 50mm F2
Planar 45mm F2 (CONTAX-G)
Planar 50mm F1.4 (ZF.2)
XF35mm F2(売却済み)
C7Artisans 35mm F1.2 X-mount
DR Summicron-M 50mm F2
Speedmaster 35mm F0.95 II X-mount(売却済み)
smc Pentax-FA50mm F1.4
Ai-S Micro-Nikkor 55mm F2.8
DSonnar 50mm F1.5 (Contax-C)
smc Pentax-M50mm F1.4
ETessar 50mm F2.8(売却済み)
Super-Takumar 50mm F1.4(売却済み)
Super-Takumar 55mm F1.8

 候補は上記Rank Aの3本だ。APO-LANTHARは私が所有するのはEマウントだが、汎用性の高いMマウント版も念頭に。

 APO-LANTHAR 50mm F2・・・解像感はすごいが、F値が暗い&寄れないため、あまりぼかせないので、楽しさという点においてほかの2本に一歩及ばない。F値による描写の変化がない、というのもメリットであり、デメリットでもある。

 NOKTON 50mm F1・・・ほかの2本と比べて、ボケ量が2段分も多いという巨大なアドバンテージがある。が、ボケはすっきり系で、絞りはカクカク、開放ではちょっと滲み、フリンジが出て、周辺減光が大きいなど、キャラクターとしては前項のNOKTON 35mm F1.2と被り気味。また、さすがにちょっと重い。

 XF35mm F1.4・・・汎用性の低いミラーレス専用レンズのため脱落…と言いそうになるが、それでもFujifilmのカメラの出す色は素晴らしいし、レンズの汎用性を捨ててでも、この描写は唯一無二にして至高ではなかろうか。

 ということで悩みに悩んで、XF35mm F1.4を選ぶこととする。しかしNOKTON 50mm F1も何とかして残したいなぁ。

項目APO-LANTHAR 50mm F2NOKTON 50mm F1XF35mm F1.4
フォーマットフルサイズフルサイズAPS-C
F値F2F1F1.4
全長53mm + アダプター55mm + アダプター50.4mm
質量288g + アダプター484g + アダプター187g
最短撮影距離70cm90cm28cm
解像感最高良い良い
開放での描写滲まず、かっちり芯はあるが滲む柔らかい
後ろボケすっきりすっきり少しこってり
絞りバネ12枚(特殊)12枚(カクカク)7枚円形
質感、操作感良い良いプラスチッキー
MFは困難
フリンジ出ない出る出ない
周辺減光大きい大きい小さい

 私の所有するヘッドフォンに例えると、APO-LANTHARは原音忠実なモニターヘッドフォンのSony MDR-CD900STのようで、XF35mm F1.4は暖かく豊かな音のするリスニングヘッドフォンのSennheiser HD650のよう。ただしビルドクオリティは逆。・・・分かりにくい。


③85mm近辺

Rankレンズ
A+smc Pentax-FA77mm F1.8 Limited
AXF56mm F1.2 APD
HD Pentax-FA77mm F1.8 Limited
BSonnar 90mm F2.8 (CONTAX-G)

 これは比べるまでもなく、文句なく、smc 77mm F1.8 Limitedの一択だろう。超こってり。


まとめ

 ということで、私の選択は以下の3本とする。3社ばらばらだが、私が散々使ってきた3社で、私らしいと思う。
・Voigtlander NOKTON 35mm F1.2 Aspherical III VM
・Fujinon XF35mm F1.4 R
・smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited