ヘリコイド付きMマウントアダプターのヘリコイド格納(0mm)状態と、最大(5mm)繰り出し状態で、各レンズの最短撮影距離を実測。計測精度はガバガバで、多分±2cmくらい。
N数も少なすぎて精度は怪しいものだが、どうやら焦点距離50mmと35mmで違うラインに乗ってくる。グラフと実験式は以下。
まぁ雑に言うと、レンジファインダー用であっても、よっぽどでなければ50mmレンズは45cm以内に、35mmレンズは30cm以内にはなる。それってごく一般的な一眼レフ用と同等レベルなので、大きな不満は出ないはず。
これはヘリコイド繰り出し量によって変わるので、SHOTEN LM-SE (L)の5mmという繰り出し量は絶妙だと言える。(L)が付かない方は6mmだが、値段が倍になる。
AFできるMマウントアダプターLM-EA9は繰り出し量4.5mmなので、これよりは少し寄れない。
またスペック上は最短70cmなのに、ヘリコイド0mmでの実測は74cmだったりで、すべて実測の方が遠い。これはヘリコイド0mmだと、フランジバック距離がMマウント本来よりも短くなるためで、レンズを無限遠に合わせたときにオーバーインフになるのも同じ原因。こういうアダプターでは、目測でフォーカスを合わせるのは避けた方がいいだろう。
(追記)
全然自信のない単純な理論式による、全群繰り出しレンズにおける通常時の最短撮影距離とヘリコイド繰り出し時の最短撮影距離の関係。fは焦点距離、Δxはヘリコイド繰り出し量。多少のオーバーインフがあるとして、実測値がΔx=4mmと5mmの線の間に入ってほしい。・・・まぁ、悪くないんじゃない?
しかし実測データだけを見ていると線形に見えたが、理論上はこのように非線形。合っているか知らないが、理論は大事。でも考えてみれば、(0, 0)よりも左や上に線が来るわけないか。
計算式は以下の通り。これを各レンズの最短撮影距離のときのを計算し、のときのを計算、とについてプロットしたのが上図。
ここで、
L : 撮影距離 [mm]
a : 主点から被写体までの距離 [mm]
b : 主点から像までの距離 [mm]
f : 焦点距離 [mm]
x : 無限遠からのレンズ繰り出し量 [mm]