さらに踏み込んで、売ってもいいボディ、レンズをかき集めたらまずまずの額になったので、GFX50S IIボディを買ってしまった。さすがにGFレンズは買えなかったので、適当にイメージサークルの大きいレンズを付けよう。
ということで、Xシステムもαシステムも手放すことなく、3つ目のシステムを導入するという暴挙に出たのであった。まぁ今回とうとうK-1を手放したので、Kマウントからの入れ替え、ということで一つ。
なお、保有レンズ数は目標だった20本まで減った。あんなにパンパンだった防湿庫はスカスカである。
GFレンズについて
そのうち1本はGFレンズが欲しい。
私のいつものパターンだと、フルサイズで35mm相当と85mm相当の2本、というのがいいのだが、GF45/2.8(約35mm相当)はF値が暗めなのに寄れないので、ちょっとつまらなさそう。これだったらX100Vでいいや。
GF110/2(約85mm相当)はすごく良さそうだけど、さすがに長くて重すぎて、なかなか持ち出さない気がする。ポートレートが主戦場の人向けかな。
するとGF80/1.7かGF55/1.7・・・かと思うが、GF80/1.7は今どき珍しく軸上色収差が大きいらしい。ちょっと嫌だな。GF55/1.7は個人的に慣れ親しんだ約45mm相当の画角でスペック的にも申し分ないし、調べると描写はかなり良さそうだが、そこまで標準に寄ってくると薄型のGF50/3.5や、ド標準のGF63/2.8も候補に入ってくる。重量も値段も段違いだ。
レンズ | GF45/2.8 | GF50/3.5 | GF55/1.7 | GF63/2.8 | GF80/1.7 | GF110/2 |
---|---|---|---|---|---|---|
画角の好み | 好き +1 | 苦手 -1 | 好き +1 | 好き +1 | 微妙 0 | 好き +1 |
描写の好み | 普通 0 | 普通 0 | 好き +1 | 普通 0 | 好き +1 フリンジ -1 | 好き +1 |
F値 | 暗い -1 | 暗い -1 | 明るい +1 | 暗い -1 | 明るい +2 | 明るい +2 |
最短 | 寄れない -1 | 寄れない -1 | ||||
サイズ | 薄型 +1 | でかい -1 | でかい -1 | 巨大 -3 | ||
価格 | 高い -2 | 高い -2 | 高い -2 | |||
その他 | LM※ +1 | LM※ +1 | ||||
合計 | -1 | -1 | 0 | 0 | -1 | 0 |
悩む。しかし正直に言って、どれも欲しくて悩むのではなく、どれも微妙で悩む。
1本だけ買うとすると、明るくて標準のGF55/1.7がいいのだが、その値段とサイズ・重量だけの価値があるか?というところで納得感が少ない。そういう意味ではGF63/2.8のほうがはるかに納得感はあるだろう。
また、中望遠側は一眼レフ用が使えるとして、それと組み合わせて使う中広角が欲しい、と考えるとGF50/3.5もいい気がしてくる。その場合、中望遠側は寄れるレンズであってほしい。
各レンズのイメージサークル
当分は手持ちのレンズを活用する。基本的にアダプターでボディ側もレンズ側もEFマウントに変換しておくという、以前書いたとおりの運用を行う予定。Mマウントではアダプターがレンズのイメージサークルを阻害しないか、不安なので。
いくつかのレンズのイメージサークルをチェックした。レンズのイメージサークルがイメージセンサーをカバーしているからといって、それは単に「写る」というだけであり、周辺画質などは別問題である。ここでは、とりあえず蹴られず「写る」かどうかだけをチェック。
四隅の暗さが、絞って改善するなら周辺減光、絞って悪化するなら蹴られである。上記FA43/1.9は絞れば四隅の暗さがなくなるので、蹴られていない。
以下、すべて絞った状態の写真を掲載。
FA31/1.8 Limitedは花形フード組み込み(固定)のレンズである。また、今はボディにEF-GFXマウントアダプターを付け、レンズにPK-EFアダプターを付けているが、私の使っているPK-EFのアダプターはレンズが光軸周りに45°くらい回転してしまう。なので、フードもカメラに対してまっすぐついていない状態となり、左上と右下にフードの影が出てしまっている。右上と左下は蹴られていないので、直接PK-GFXアダプターを使えば問題ないと思われる。でもたぶんFA31はそんなに使わないだろうから、そのアダプターは買わないだろうな。
こんな広角(35mm判で約24mm相当)でイメージサークルが足りているレンズは珍しいのではないだろうか?知らんけど。
気を取り直して、次へ。
近距離でこれなので、Summicron-Rは無限遠ではもっと蹴られるかもしれない。
ここから先は、ボディ側にLM-GFXアダプターを付けて、レンズ側はMマウント(に変換)での実験結果。
NOKTON 50/1は見事なもので、φ43mm+2mm程度のイメージサークルしかないようだ。無駄がない。
同じレンズでも、一度Mマウントに変換するとそこがボトルネックになって、イメージサークルが蹴られていることが分かる。
下図の青線の内かつオレンジ線の外のエリアは、35mm判では使われない領域なので、もし仮にレンズがイメージサークルをカバーしていて「写る」としても、画質は下がる可能性が高い。
なお赤点線のようにスクエア(33×33)にすると、φ43の円にほとんど入っているので、蹴られもないだろうし、大きな性能の低下もないだろう。イメージサークルの小さいレンズを使いたいのであれば、スクエアにするのも手である。
当面のレンズ
FA43mm F1.9は、35mm換算の画角&ボケ量的には34mm F1.5相当になるので、スペック的には良い。が、画質に満足するかと言われれば・・・どうだろう? やっぱりX100Vの方がいいかもしれない。
やっぱりFA77mm F1.8かな。スペックは換算で61mm F1.4相当と微妙だが、35mm判のエリア外の画質などを考慮すると、手持ちのレンズではこれが一番いいと思った。このレンズが十分使えるという点でも、スペックが近いGF80/1.7は買わないだろうな。
ピクセルシフトマルチショットによる2億画素の画像(約800MBのDNGファイルにドン引き)から、中央付近を等倍で切り出した。被写体が大体同じ大きさになるように目分量で距離を決めたので、厳密ではない。ちなみに、Word Pressにアップロードした際に勝手に縮小されたので、上記画像(リンク先)は等倍ではない。
ざっくり、FA43mm F1.9 ≦ FA77mm F1.8 < FA77mm F5.6 ≦ FA43mm F5.6 かな。どちらも開放だとちょっと解像度が足りない。まぁフィルム時代のレンズに、35mm判で1億2000万画素相当の解像度を求めるのは酷ではある。
Planar 50mm F1.4 ZF.2は40mm F1.1相当になり、それも悪くないが、スクエアにしたら46mm F1.3相当くらいなので、ハッセルブラッド500C/M+Planar 80mm F2.8(44mm F1.5相当)の6×6フィルム気分で使うのも魅力的である。レンズ特性は全然違うと思うけど。
やはりレンズは資産(ただし物理的な絞りリングとフォーカスリングが付いているレンズに限る)。
もし一眼レフ時代のレンズを新たに買うとすれば・・・Canon EFレンズは絞りリングがないので没。資産にならない。Nikon Fマウントは、Dレンズまでは絞りはあるが、当時のNikon製レンズはだいたいボケが汚い。Pentax Kマウントは、絞りリングがあるFAまでのPentax製レンズはだいたい色収差が酷い。ヤシコンもだいたい色収差が酷い印象がある。ライカRは上記のように50mmでも蹴られたので警戒する。
つまりFマウントかKマウントのコシナ製レンズを使えばいい!ということだ。Makro-Planar 50mm F2とかいい選択肢ではないかと思うのだが、どうだろう。GFレンズと違って寄れるし、解像度も問題ないはず。イメージサークルは知らないが。
GFXの使い分け
画質と利便性のバランスが良いFUJIFILM Xと、オールドレンズ遊び用のSONY αと、画質全振り趣味全開のGFXということで、それなりに使い分けはできるかな、と思っている。下図のように、ここ10年くらいはカメラ3台体制を続けている。もちろん使用頻度は均等ではなく、平均で5:3:2くらいかな。
どうでもいいが、上図で短命だったNEX-6とD600は知人に格安で譲渡したが、その後かなり使われたようで良かった。あまり使わなかったX-E3も買値+αで売れたのでこれも良かった。
GFXを買った理由
イメージセンサーの大きさが写真の良し悪しにはつながらない、と主張する私が44×33フォーマットのカメラを買ったのは、ダイナミックレンジに期待して・・・と言いたいところだが、画素ピッチはX-T5 << GFX50S II < α7Cなので、理屈が合わない。
X-T5 | α7C | GFX50S II | |
---|---|---|---|
センサーサイズ mm | 23.5×15.7 | 35.6×23.8 | 43.8×32.9 |
画素数 Pixel | 40M | 24M | 50M |
画素ピッチ μm | 3.1 | 5.9 | 5.3 |
実際のところは下記トヨタ氏の著書で、同じ馬力とトルクでも2リッターターボと4リッターNAは違う、的なことが書かれていたのが琴線に触れた。
トヨタ氏は私と世代が近く、FujifilmやVoigtlanderをよく使っているということで、ちょっと親近感がある。でも相入れないところも多い。
1ショットで3層露光するFOVEONは1回転で3回爆発するロータリーなのか、特殊な配列のX-TRANS CMOSはフジつながりで特殊なレイアウトの水平対向なのか、ベイヤーはレシプロなのか。思えば私がロータリーに乗っていた13年間と、FOVEONを使っていた14年間はかなりラップしていた。
そしてAPS-Cはダウンサイジングターボで、35mm判は中排気量ターボ、中判は大排気量NAなのか。ディーゼルとガソリンはどちらがCMOSでどちらがCCDなのか。これからEVになるのか。フィルムは馬車だったのか?
ということで予選一発タイムだけなら2リッターターボでも出せるけど、懐が深くドライバビリティに優れる4リッターNAのほうが長いレースのトータルでは速くなるかもな、と思ったのだった。
何を言っているのかよく分からない。