α7Cについて

 2年ほど愛用して、だいたい評価は固まったので、まとめておく。

外観

 ダサくはないが、格好いいわけではない。でもSONYの中では随一であると思っている。ちなみにSONYとα7Cのロゴは、黒いテープで隠している。特に意味はない。

 やっぱり分厚いのが良くない。グリップは厚さがあってもいいんだけど、センサー位置を示すφマークから、カメラ背面までの距離が絶望的に長い。センサーと手振れ補正ユニットとバリアングル液晶があるのは分かるけどさ、あと1cm薄くしてほしい。

 フラットトップなので、出っ張りがなく鞄への収納性がとてもいい。ミラーレスでファインダーが出っ張っている必要なんて何もないのだ。

重量

 フルサイズかつ手振れ補正ありで500gちょいなのだから、不満はあるはずもないが、めっちゃ軽い、とは言わない。小さい割に、ずっしり塊感がある重さ。

 でも経験上、レンズ込みで600gくらいの軽さになると、肩にかけたストラップが服に食い込まず滑るので、200gくらいの軽量レンズ装着時でも滑らないのは良い。

画質

 最初はしばらく設定を煮詰めようと頑張ったが、結局JPEG撮って出しで満足のいく設定を作るのは諦めて、毎回RAW現像している。画素ピッチで無理していないからか、高感度ノイズも少なく、ダイナミックレンジも広いし、現像すればかなり自由に絵作りができる。

 でも、それがめんどくさいからフジのカメラをメインで使っているんだよなぁ。

 ちなみに、Vividで撮っている。細かい調整は今はなし。

 AEもAWBも特に不満はない。NEX-6みたいに緑に転ぶこともない。でも晴天時とかに、なんか違うな、と思って太陽光にしたりすることはある。

 色の付いた光源(ハイライト)でも白飛びする。この辺、フジはなぜか色が残る傾向にあるが、多分フジの方がおかしい。

 ISO感度は6400までは自動で上がるようにしている。ISO 6400でもノイズレス、とまでは言わないけど許容範囲。高感度ノイズは嫌いなので、これは嬉しい。

 一応DRO(Dレンジ・オプティマイザー)はONで使っている。どうせRAW現像するから関係ないんだけど。

NOKTON classicは歪曲補正のためにもRAW現像が必要

ファインダー

 言われつくしているが、小さい。倍率も低い。でもEVFだから拡大表示できるし、MFするにあたって困ることはないレベルである。NOKTON 50mm F1でもAPO-LANTHAR 50mm F2でも、フォーカスを外したことはほとんどない。

 まぁそりゃもうちょっと大きく、倍率が高い方が嬉しいのは間違いない。


 NEX-6の時はEVFで見たらすごくいい写真なのに、PCで見たら残念・・・という現象がよく起こった。このカメラはそんなことはなく、EVFで見た印象と、PCで見た印象はよく一致している。信頼できる。

 どうでもいいが、NEX-6でのそういうとき、PCでも片眼で見たらEVFで見た印象に近くなる気がした。片眼で見た方が立体感が増す、この現象の名前はなんというのかね?


 私は左目でファインダーを覗く人なので、レンジファインダー型のように左上にあるファインダーを覗いた時、レンズの光軸と自分の矢状面がほぼ一致するので、一眼レフ型のカメラよりも自然に感じる。良い。

 でもそのかわり鼻が液晶に当たり、液晶は汚れがちである。

SUMMICRON-R 50mmで至近端あたり

AF

 よく知らない。純正レンズはキットレンズしか触ったことないし、それもそんなに使うことなく売ってしまったので。多分、最新機種には遠く及ばないとはいえ、ほどほどに賢いのだろう。

 でも下手にAF性能のいいレンズを持ってしまうと、それをフルに引き出せるα7C IIなどが欲しくなってしまう可能性があるので、MFレンズしか使わない。

 LM-EA9やLA-KE1といった社外のAF対応マウントアダプターではたまに使っている。LM-EA9は中央では問題ないが、周辺部では合焦しないことがよくある。AF-Cもまともに動かないが、まぁ、こいつらでAFが完璧に動作することを期待するほど夢見がちではない。

 でもSONY Eマウントという超メジャー規格のため、LA-KE1みたいなトンチキなマウントアダプターまで発売されているのはすごいことだ。

FA77 Limitedがミラーレスで息を吹き返した

グリップ

 私はこのカメラでは、だいたい軽い小さなレンズしか使わないので、高い保持性能は必要なく、グリップが悪いとは全然思わない。まぁ、当然のように小指は余っているが、それについて何も不満はない。最重量のNOKTON 50mm F1でもボディ500g + アダプター100g + レンズ550gくらいなので、半日くらいは余裕である。

背面液晶

 バリアングルは好きじゃないけど、それは好みの問題で、バリアングルとしては何にも瑕疵はない。バリアングル液晶を見ながら水平を出しつつMFするのは、いまだに苦手である。

ローアングルで、水平とフォーカスを合わせつつ、フレアが出る角度を探す苦難

シャッター

 メカニカルシャッターはおそらく電子先幕オンリーだそうだ。確かにメニューにもメカニカルシャッターとか電子シャッターとはどこにも書かれておらず、サイレント撮影ON/OFFと書かれている。

 メカシャッターだと1/4,000秒までしか切れないのは不満。大口径レンズを使いたいんだよ。ということでほぼ電子シャッターを使っているが、こちらも1/8,000秒までしか切れない。1/180,000秒まで切れるX-T5の爪の垢を煎じて飲むといい。X-T2でも1/32,000秒だった。

 電子シャッターでのローリングシャッター歪みは、出るんだろうけど、動きものを撮らないから今のところ困ったことはない。

 シャッターを押したフィールは普通なんだけど、シャッター音がクソである。K10Dほどじゃないけど、萎える。まぁ、私はほぼ電子シャッターで撮っているので、長らく聞いていない。

 連射については、しないので分からない。

電車だけど、止まっているので歪まない

手振れ補正

 5段というスペックほどは効いていないと言われるが、まずまず効いていると思う。これでも十分役立っている。ありがたい。

ボタン類

 これも言われつくしているけどMENUボタンが押しにくい。遠い。α7C IIとRではちょっとだけ右手に近づいたらしい。

 AF ONボタンにEVF拡大を割り当てると、いい感じ。

 全体的にカスタムできるボタンが足りない。ISOやドライブモードやWBは外せないが、AF/MF切り替えや、サイレントシャッターON/OFFや、HDRなども割り当てたい。再押しAF/MF切り替えは、十字キーの下に割り当てた。

 まぁFnメニューの使い勝手、カスタマイズ性は及第点なので、これでカバーはできる。


 AFポイントの移動で誤操作(誤動作ではない)しまくる。真ん中ボタンを押すたびに、十字キーの機能がAF点操作と、ISOやドライブモード切り替えボタンとで変わるので、真ん中ボタンを押し損なうと、意図しない動作をしてイラっとする。AF点操作はタッチパッドを使えばいいのかと思いきや、やっぱり真ん中を押してAF点選択状態にしないと操作できないので、状況は変わらない。

 AF点選択用のジョイスティックが欲しかった。X-T2で使ってから、あれ無しではストレスを感じるようになった。このカメラの2番目の不満点だ。1番目は次の項で。


 α7C IIやRと違い、とてもいいのは露出補正ダイヤルに目盛りがあり、電源オフでも補正値が分かること。私は露出補正はガンガン変えるので、これはぜひ欲しいダイヤルなのだ。

 モードダイヤルでカスタム設定1, 2, 3の切り替えができるのは便利。でもカスタム設定ごとにほぼ全ての設定を覚えてしまうが、できれば覚えてほしくない設定もある。具体的にはF値や手振れ補正用のレンズ焦点距離などまで変わってしまうので、イラっとすることが多い。

AF点選択はもうちょっと迅速にやりたい

EXIF

 手振れ補正用にレンズ焦点距離を入力しているにもかかわらず、それがEXIFに記録されない。これがこのカメラ最大の不満点かもしれない。

 電子接点のないレンズなどを複数持ち出したとき、どの写真がどのレンズで撮ったものか分からなくなる。撮影後しばらくは大体覚えてはいるが、それでもたまに分からないことがある。オールドレンズ母艦として買ったのに、とても不満だ。

 私が初めて手にしたボディ内手振れ補正のK10Dでさえ、入力した焦点距離がEXIFに記録されたのに。X-T2は手振れ補正がないにもかかわらず、EXIFに記録するためだけに焦点距離を入力できたのに。X-T5に至っては、登録しておけばレンズ名まで記録できるのに。

 でもこれは、NikonでもCanonでもできないのは知っている。


 一度スマホとBluetooth連携して、アプリを立ち上げておくと(?)、その接続は基本的にずっと切れず、スマホで取得したGPS情報をカメラに伝え、それがEXIFに記録される。最高に素晴らしい。なぜFUJIFILMはこれができないのか。

オールドレンズの持ち出しは、一度に2本まで(分からなくなるから)

バッテリー

 よく持つ。1日の撮影で切れたことはない。今どき当たり前だけどUSB Type Cで充電できるのは便利。