ここ2か月ほどはAPS-C、フルサイズ (FF)、GFX (44×33)の3つのセンサーサイズのカメラを併用しているわけだが、思うところを。
色合い、絵作りを含めた画質は、現状フジ>パナソニック>キヤノン>ソニー=ニコン>その他だと思っている。同じメーカーならセンサーサイズは大きい方が有利だと思うが、FFかAPS-Cかくらいではこの序列に変化はない。フォーサーズまでいくと知らない。
当然ながら序列トップのフジで、かつFFよりも大きなGFXが最上級で、使えば使うほどダイナミックレンジの余裕を感じる。
だがGFXを使っていると、APS-Cの良さをいくつも再発見する。
最短撮影距離
相場として、焦点距離[mm]と最短撮影距離[cm]は大体似た数字になる。焦点距離35mmなら最短撮影距離35cm、85mmなら85cmくらい。なお50mmなら45cmのように、1~2割くらいは短いものも多い。
実例としてXF35mm F1.4は28cm(相場より2割短い)、XF35mm F2は35cm(相場通り)で、GF63mm F2.8は50cm(相場より2割短い)なので、ほぼ同等の画角なのに最短撮影距離は1.4~1.8倍の差がある。クソみたいな素人意見を言うと、「レンズは寄れた方が面白い」。「寄れない」というのはそのレンズを使わない理由足りうる。
AF速度
センサーサイズが大きくなると、対応するレンズも大きく&重くなる傾向にあるが、フォーカスのために駆動するレンズが重くなるほどAFは遅くなる。動き出しもそうだし、AF-Cの追従性なども全然違う。F=maが示すように、質量とは速度変化のしにくさ、である。
実例としてXF35mm F2とGF63mm F2.8・・・はさすがに比べてはならない。AF方式(X-T5は像面位相差AF、GFX50S IIはコントラストAF)もフォーカス機構(XF35mm F1.4は”全”群繰り出し、XF35mm F2はフローティング、GF63mmは”前”群繰り出し)も、全然イコールコンディションじゃないから。
フォーカス用のレンズ群が一定以上重くなれば、リニアモーターが利用できなくなるなど、質量以上にAF速度が変わるかもしれない。
F値とISO感度
フルサイズ50mm F2相当の画角・ボケ量が欲しければAPS-Cなら33mm F1.4、GFXなら63mm F2.5くらいになるが、GFXの方がF値は約1.66段分暗い。つまりAPS-C(F1.4)でISO1600で撮れる被写体および環境だとすると、GFX(F2.5)ではISO5000くらいまで上げないといけない。実感としてGFXを使っていると、思った以上にISO感度が上がっていて驚くことがよくある。
シャッタースピードの手振れ限界はフルサイズ換算焦点距離と反比例し、フルサイズ50mm相当の画角なら1/50[sec]と言われる。センサーサイズは関係ない。なので、上記のようにF値とISO感度だけを考えればいい。
画素数が一緒ならセンサーサイズが小さいほど画素ピッチが小さくなり、高感度ノイズに不利だと言うが、センサーサイズの違う機種同士を同じISO感度で比較するのはナンセンスと言えるかもしれない。