とうとう発表されたα7 Vについて思うこと。
以下のプロットで、青線がα7無印シリーズである。
価格と質量

・・・超順調に価格と質量が成長を続けている。値段は見事にリニアに上がってる。なお、価格はそれぞれ発売当時の販売予想価格をプロットしている。
質量はIII→IVはほぼキープだったのに、今回はジャンプアップして、α9級になってしまった。価格はほぼ予想通りで、ある程度仕方ない部分もあると思うが、さすがに700gは重すぎるやろ。600g前後に抑えてほしい。
サイズ

前から見たサイズ(幅と高さ)はキープ、何とか踏ん張った。α1やα9シリーズと比べれば少し小さいが、α7 III世代から比べれば、やはりでかい。
また、ここで載せていない奥行きは増えている。多分マルチアングル液晶のせいかな?
ピクセル数

センサー画素数とEVFドット数は、先代からキープ。ただし、センサーは部分積層になった。EVFはα1 II, α9 III, α7R Vとは違い、先代α7 IVから流用のようだ。グラフにはないが、背面液晶は高画素化し、バリアングルからマルチアングル(4軸チルト)になった。個人的にバリアングルは好きじゃないので、これは歓迎。
その他の気になる点
毎秒30コマのブラックアウトフリー連射&プリキャプチャーはもう、スタンダードクラスに必要な機能だと言うのか? あれば嬉しいだろうけど、万人に必要な機能ではないと思う。質量&サイズもそうだけど、α7無印じゃなくて、α9 IIの正常進化モデルだと思うとリーズナブルだなw
手振れ補正の効きやAFはもう必要十分を超えていて、心配していないので、あとは画作りがどう変化しているか、が私の関心事である。AWBは賢くなったと謳っている。これまでのSonyは確かに寒色に転びやすいとは思う。日陰の木の幹や、曇りの日の赤レンガなんかの色転びも酷いことになりがちだった。
私見まとめ
この価格と質量だけのことはあって、いや、その価格と質量から期待する以上に高いスペックにまとまっていると思った。ベストセラー間違いなしだろう。が、スタンダード機としては明らかにオーバースペックだと思う。はっきり言ってα1 IIじゃなくても、ほぼあらゆるシーンで、もうこれで不満ないんじゃないの?とさえ思う。α9 IIIは何か特殊な用途があるのだろうから、別枠として。
グローバルシャッターのα9 IIIは見送ったけど・・・っていうα9, α9 IIユーザーは、これに飛びつくのがいいような気がする。
α7 IVが肥大化して見送っていたα7 IIIユーザーは、今回さらに重くなったので・・・難民になるだろう。南無。
α7 IVユーザーは、余裕があるなら買い替える価値はあると思う。ただし新機種発表・発売直後は、買い替えのために中古相場が一時的に落ち込んで、その後少しだけ上がることがあるので、タイミングは難しい。またSonyは旧機種を併売するにしても、その価格を少し下げると思う(オープン価格なので我々消費者には見えないが)ので、それに連動して中古価格も下がる。

ファインダーとAFは高性能で、動画機能や連射は二の次の、スチルに特化した小型軽量機・・・っていう需要はないのかなぁ。読み出し速度アップ(部分積層化)+ 演算能力アップ⇒高速AF&高速連射&ブラックアウトフリー&ローリングシャッター歪み抑制&動画性能&ファインダー表示も滑らかに・・・なので、AF性能を上げようとするともれなく連射や動画性能が付いてくる、ってことなんだろうか?
Sony機の系譜と予測
以前も掲載したSonyの系譜を更新。今後の機種の登場時期(適当予測)は当たるかな?
値段的にはつい先日出たCanon R6 IIIとほぼ同等かな? Nikon Z6 IIIの現在の実売はそれよりはちょっと安いが、発表当初(1年半前)の販売予想価格はα7 V同等以上だったんだな。スタンダード機は完全に40万の時代かぁ。
そろそろカメラ業界はスタンダードの下であるエントリーよりも、さらにもう一段下のクラスを作らないといけなくなってきたのでは。フォルクスワーゲンのPolo(Bセグメント=コンパクト)が昔のGolf(Cセグメント=ミッドサイズ)よりも大きなサイズになったので、Poloの下にup!(Aセグメント=サブコンパクト)を作り・・・みたいな流れ。あれ?up!って今はないんだっけ?

特にSonyはもともとエントリークラスも存在しないので、この問題が顕著である。初代α7(2013年)は15万で、α7 V(2025年)は42万である。100歩譲って日本人が貧乏になっているので値段は置いておいても、サイズと質量も成長しすぎている。そういう人はAPS-Cを使え、というのがSonyの答えなのだろうか。

