あと数年はα7Cを使おうと思っていたが、考えを改めた。そろそろ買い替えよう。
各フォーマットに求めるもの
FFの(というかαの)特徴は、必要十分な表現力(色味やダイナミックレンジ、諧調性、ボケ等)と、高い機能性(AF、手振れ補正、高感度、連射等)と、ある程度の小型軽量さを兼ね備えていること。FFは現時点でベストバランスなセンサーサイズだと思う。またオールドレンズやサードパーティを含め、αは特にレンズラインナップが充実している。
GFXは表現力に全振りで、機能性はもう一つ(AFは遅い、連射も遅い)、小型軽量さは到底FFに勝てない。
今回は関係ないがAPS-Cやフォーサーズのメリットは、センサー(∝マウント)が小さい分、ボディを小さくできるとか、ボディ内手振れ補正は効きやすいとか。またF値(シャッタースピード)と画角はキープしたままレンズを小さくでき、その結果としてAFも速くなり、価格も下げられる可能性があるが、その場合ボケ量は減る。APS-Cもバランスの良いセンサーサイズだと思うし、FFほどのボケ量を必要としないのであれば、今でもありだと思う。フォーサーズの活路は超望遠だろう。
項目 | フォーサーズ | APS-C | FF | 44×33 |
---|---|---|---|---|
ダイナミックレンジ | ▲不利 | △ちょっと不利 | ○普通 | ◎有利 |
諧調性 | ▲ | △ | ○ | ◎ |
ボケ量 | ▲ | △ | ○ | ◎ |
解像度 | △ | ○ | ○ | ◎ |
高感度 | △ | ○ | ○ | ○ |
手振れ補正 | ◎ | ○ | ○ | △ |
AF | ◎ | ○ | ○ | ▲ |
連射 | ◎ | ○ | ○ | ▲ |
小型軽量 | ◎ | ○ | △ | ▲ |
レンズラインナップ | △ | ○ | ◎ | ▲ |
全体的な特徴 | 超望遠に強い | バランス ボケは小さ目 | ベストバランス | 表現力重視 |
なので、FFなのにGFX並の巨大なボディだとか、AFが遅いとか精度が悪いとか、そんなシステムを使うくらいならGFXの方がいい。逆に、小型軽量でAFなどの機能性が高いFFカメラで、GFX並みの表現力があるのであれば、GFXの存在意義はなくなる。
心変わりの理由など
昨年まで私のメインカメラはX-T5で、ほどほどの表現力(色はいいけどボケ量は少ない)と、割と優秀な機能性(高解像度、レンズによっては高速AF)と、並のFFよりは小型軽量、というバランスだった。
そして昨年までは、α7CはMFレンズで遊ぶためのサブカメラだったので、FFかつ小型軽量であることに全振りして、表現力や機能性はあまり重視していなかった。
今年そのα7Cをメインカメラに据えたことで、もうちょっと色が・・・とか、せっかく最強級のAFを持つSonyを使っているのにレンズの性能を生かし切れていない・・・とか、メインで使うには手振れ補正が弱い・・・とか、気になるようになってきた。
もう一つは、人の写真だが印刷を考える機会があり、2400万画素だとA3ノビでも300dpiで限界、ということを改めて思い知ったこと。6000万画素ならA1でも270dpiくらい確保できる。自分の写真をそんなサイズで印刷することがあるかは分からないけど。
フジは特にバグが多いとは聞くが、確かに体感でX-T5もGFX50S IIも年数回ハングアップして、電池を抜くしかなくなるのだが、α7Cは(発売の1年半後くらいに買ったのもあるが)この3年間、一度もそんなことはなかった。当たり前品質。センサーゴミ以外、αへの信頼は増している。
買い替えに関するマイルール
ボディを買い替えるのは、ちゃんと値段分使った後にしようというマイルール。緑は売り値の予測ライン(オレンジは実際の値)で、青はボディの購入金額から撮影1枚当たり5円ずつ投資を回収していくという想定残価ライン。昨年末時点では、2027年末~2028年初にこの2本がクロスする、つまりそこが買い替えタイミングだと考えていたが、状況が変わっていた。

今年に入ってα7Cをメインとして使用するようになり、使用ペースが大きく加速し、以下のようになっている。あれ?もうほとんど緑やオレンジのラインに追いついているぞ? 売り方次第では今すぐ売ってもいいレベル。

ということで、少し前から買い替えを検討中。
α7CRについて
もちろんGFXは継続使用するので、もう1台としてのFF判のカメラを買い替えるなら、機能性(高性能AFなど)や小型軽量を重視したボディにするのが、2台で相互補完できるので良い。GFX50S IIが900gなので、723gもあるα7R Vとかじゃなくて、やっぱり515gのα7CRかな。
α7C→α7CRの改良点は
- センサー画素数:2400万→6000万
- AI被写体認識AF
- EVF倍率:0.59→0.7倍(ドット数は同じ)
- 手振れ補正:5段→7段 (実際の効果改善は数字以上)
- 色:クリエイティブルック世代なので、いくらか改善?
- 操作:前ダイヤル&C1ボタン追加、MENUボタンが近くに
- 使う予定はないが、ピクセルシフトマルチショット
- 地味に嬉しいレンズ交換時のセンサーシールド
- エクステンショングリップ付属
悪化点は
- 露出補正ダイヤルが汎用になり、目盛りがなくなった
- 電池の持ち(カタログ値で680→490枚)
下図を見て分かるように、α7CRだけ新品時からの値下がり率が大きい。発売から約1年半だが、中古美品級でも発売当初の新品価格の2/3になっており、この値段なら悪くない。発売当初はα7C IIの1.5倍だったのに、今の中古相場ではα7C IIの1.3倍くらい。相対的にもお得になってきた。
発売から2年半くらい経つα7R Vからの継承だと思うが、α7CRのAF性能や画素数は今でも業界トップクラスと言っていいだろう。EVFだけがワーストクラスだが、これまで使っていたα7Cよりはちょっといい。
仮にα7CR IIが出るとしてもまだ数年後だし、噂のチルトEVF搭載のフラットトップ機も動画機(α7S IIIの後継としてのFX2か?)っぽいし、もう買い替えてもいいんじゃないだろうか。
αは発売後の機能追加のアップデートはほぼ無いという印象だったが、この数か月はやたら多い気がする。方針転換なんだろうか?良いね。
うむ、かなり理論武装(言い訳ともいう)ができた。