今旅行に行くなら

 今私の手元にはαとMのシステムがあるわけだが、旅行に行くなら何を持っていこうか。

 まだ旅行自体は計画中で、日程も行先も決まっていないのだけど。

案① Sony αシステム

 1月の金沢・白川郷や8月のカナダと同じで、αにTamron 20-40mm F2.8とPlanar FE50mm F1.4 ZAという案である。

 Tamron 20-40mmの広角端は超広大な大自然とかには足りないかもしれないが、通常の街中や建築物くらいならちょうどよくて、かつ望遠端は40mm F2.8まで行けるので最低限は標準レンズとしても使える。35mm F2.8~F4くらいにしておけば、スナップレンズとしても申し分ない。

α7CR + Tamron 20-40/2.8

 これにPlanar FE50mm F1.4を足すことでポートレートなどのボケ量、ISO感度とシャッタースピードを稼ぎたい夜間撮影などにも対応できるようになる。APS-Cクロップすれば、75mm F2.1相当くらいの画角&ボケ量のレンズとしても使用できる。α7CRならそれでも画素数は26MPも残るし、それくらいのクロップには余裕で耐えるレンズである。素晴らしい汎用性だ。

 どちらもAF性能は問題ない。ただしPlanar FE50mm F1.4は重くてでかい。性能は申し分ないので、持っていく価値はあるんだけど、今の私ならSUMMILUXを使いたい気もする。


案② Leica Mシステム

 M11にSUMMILUX-M 50mm F1.4と、何らかの広角レンズの2本だけで旅をする案。もちろんAFはないため、無限遠以外は一瞬ではピントを合わせられないが、機材は軽量コンパクトになる。

 昼間なら、50mmであれば撮影範囲外まで見えているので、自分の目でその光景を見ているのに近く、その光景を目に焼き付けつつ撮るという意味では、旅行には適しているかもしれない。

 だが、ここしばらくM型を使っていてもっとも気になるのは、夜や縦構図の時に二重像が見えないことだ。F1.4を生かした夜間の撮影もだが、50mmは割と画角が狭いのでポートレートなどで縦位置も使いたいんだけどなぁ。え?ビゾフレックス?・・・それもアリだな。

 縦構図でピントが見えないのは、もしかしたら左手の指が測距窓を邪魔しているのか? そんな恥ずかしい話なのか?

夜で縦構図のM11 + SUMMILX-M 50/1.4

 もしビゾフレックス2を買うのであれば、COLOR-SKOPAR 21mmあたりと50mm F1.4との2本だけでの旅行も悪くないな。でもビゾフレックス2を付けた姿は、まったくもって美しくはない。

 でも21mmって、旅行以外ではほぼ使わないんだよなぁ。普段なら28mm F1.5を買った方が絶対楽しいが、旅行ならコンパクトで超広角の21mmが欲しい。COLOR-SKOPAR 21mm F4なら3万円台で安いとはいえ、悩ましい。


余談(M11のデジタルズーム)

 M11は設定で1.3倍と1.8倍のデジタルズームが選べるので、50mmレンズは65mmと90mm相当くらいの画角になる。ただしレンジファインダーを覗いて撮る分にはこれは利用できないようだ。ライブビューなら(多分ビゾフレックスでも)デジタルズームが使える。まぁフルで記録しておいて、自分で後でクロッピングしろ、というのもごもっともである。

 21mmレンズなら28mmと38mm相当くらいの画角になる。うまく使えば21mmと50mmの2本で、21, 28, 50, 90mmをカバーする、なかなか理想的ではないか? まぁ21mmなんてレンズは持っていないのだが。

 しかし1.3倍のデジタルズームを適用して、実際に画素数から計算すると1.24倍(フルで9504×6320=60MP、1.3倍で7680×5104=39MP、1.8倍で5248×3472=18MP)でしかない。どういうことだよ、四捨五入しても1.3倍にならねぇよ。50mmは62mm相当に、21mmは26mm相当にしかならない。なお、1.8倍の方は大体正しい。

M11マニュアルより転載

 あと上図、「電源オフ」じゃねぇだろ。単にデジタルズーム「オフ」である。

左から順に50mm, 62mm, 90mm相当

 APS-HとFF判のセンサー対角長の比は1 : 1.25くらいで、四捨五入して(?)1.3倍と言われることが多い。そういう意味ではM11のデジタルズームは、数字で単に1.3倍というよりはAPS-Hクロップだと捉えた方がいいのだろう。なおM8のセンサーはAPS-Hと称していたが、実際にはもっと小さく、FF判との対角長の比は1 : 1.33だった。複雑である。


閑話休題。

案③ αベースの折衷案

 α7CRにTamron 20-40mm F2.8と、マウントアダプターでSUMMILUX-M 50mm F1.4という案。SUMMILUXをEVFで使うため、夜でも縦構図でも問題ない。

 なおLM-EA9を使えば一応AFで撮影できるが、SUMMILUX-M 50mm F1.4はフローティングなので、全群繰り出しAFはその描写性能をスポイルする可能性が高いため、多分やらない。まぁそんなこと言ったら、αに付けた時点でセンサーカバーガラスの厚さが違うので性能は落ちていると思うけどさ。

 ということで、試してみた。α7CRとM11でSUMMILUX-M 50mm F1.4にて、撮影距離は0.7mちょい、F1.4とF2で撮影した。ISO感度は200。もちろん全群繰り出しはせず、レンズ本体のヘリコイドでピントを合わせている。

こんな写真の中央付近と周辺を切り出す

 中央付近と周辺(左上)の等倍切り出し(各500×500ピクセル、位置は厳密ではない)を以下に示す。両カメラとも三脚に載せてライブビューで中央は中央に、周辺は周辺に慎重にピントを合わせた。

 ・・・あれ?周辺はα7CRの方が線が細くて、シャープだぞ?・・・見なかったことにするか。まぁ、こんな比較ではごく限られた条件で、かつ解像しか評価していないので、総合的に見るとまた別かもしれないけどね。


案④ 2台持ち

 α7CR + Tamron 20-40mmF 2.8と、M11 + SUMMILUX-M 50mm F1.4の2台持ち案。どちらか一方を首から下げて、もう一方はカバンに入れて歩く。レンズ交換はしなくていいけど、荷物は大きく、そして高価になる。税関の申請とか大丈夫なんかな?

 50mmの夜間や縦位置で二重像が見えにくい問題は解決しない。・・・やっぱりビゾフレックスか? あと、色味が統一されない。


 ということで理性的に考えるのであれば、案①の一択であることが再確認できた。

でかいけど盤石のα7CR + Planar T* FE50mm F1.4 ZA

 やっぱりM11用レンズは50mm 1本に絞る方向で、28mmやら21mmやら75mmやら、気にはなるが、増やすのはやめよう。でも旅行は関係なしに、ビゾフレックスはちょっと興味を持ってしまった。

コメントは受け付けていません。