猫スナップ

 Planar T* 85/1.4 ZAを買ってから、あまり使っていなかったFE100/2.8STFを持ち出す。野良猫を撮るにはちょうどいい焦点距離。

 色が・・・。フジ機のようにはいかない。

 歯をむき出しているが、割と甘えたような声で鳴いている。

 こちらは超警戒モード。これ以上は近づかせてくれない。

 こちらはさほど警戒はしていないが、私がエサをくれる人間かどうかを見極めているようだ。

 普通は背景がうるさいな、と思ったらそれをぼかし切るしかないが、STFは背景に何があるかが分かるような小さめのボケでも、綺麗にエッジが取れてうるさくならない。私はそういう使い方がSTFの魅力だと思う。背景が何であれ、主題だけを浮き上がらせる85mm F1.4とは全く違う世界だと思う。

 単にボケが綺麗なレンズだと思って使うと、F値が物足りないだろう。まぁ、かくいう私もあまり使いこなせてはいないとは思う。今年に限って言えば、2番目に多く使っているレンズだが、最近は85mm F1.4にかまけていたわけだし。

 STFというものを知っている人の中でも、STFの画が好きでない人は結構多いのだろうな、とは思う。収差なしのレンズならボケは一様な濃度を持つ円になり、オールドレンズに多いオーバーコレクションな特性ならボケのエッジに光が集まるが、STFではボケの中心からエッジにかけてグラデーションで薄まっていく。我々がよく知っているいわゆるレンズらしい描写とは異なるので、CGや合成っぽく見える、というのは事実だろう。でもそれは、普通のレンズではなしえない描写が得られるという意味でもある。

 私が同種の技術を用いたXF56/1.2 APDを買ってからちょうど10年が経った。10年も使えば、胸を張って私はSTFが好きなんだ、と言っていいだろう。

 夕方7時過ぎかつ(F値は2.8だが)T値が5.6のレンズなので、1/100秒でシャッターを切るため、ISOは1600まで上がっている。APDのせいで暗いというのはこのレンズの問題点ではある。

 こちらはISO6400である。手振れ補正がついていても、被写体ブレは防げないからねぇ。

 Planar FE50/1.4 ZAも持っていたが、猫を撮ったレンズはすべて100mmだった。

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