DCレンズが1本欲しい。DC-Nikkor 135mm F2か、いずれ出るであろうPORTRAIT HELIAR 75mm F1.8を待つべきか・・・。
買う前の検討
PORTRAIT HELIAR 75mm F1.8
この前のCP+ 2025で参考出品されたEマウントレンズ。DC-Nikkorと同じく、第2群を前後させるフローティング機構で球面収差をコントロールしている模様。
- ↑ スペックが違い、さすがに比較は不公平だが、DC-Nikkorよりははるかに小型軽量。
- ↑ 75mmという画角自体は使いやすくて好きである。
- ?写りは未知数。昔あったHELIAR classic 75mm F1.8が同じ3群6枚なので、これがベースだと思われるが、作例を見る限りそこまで好きでなかった記憶が。基本的にHELIARはトリプレットに毛が生えたレンズで、周辺はちょっと怪しいという印象。ポートレートだから、周辺はいいのか、そうか。
- ?願わくばRに振ったとたんポワポワに滲むのではなく、ピント面はシャープで、かつ後ボケが綺麗になるといいなぁ。大きく振ったときにRはソフトレンズ、Fはトリオプラン風になるのは当然。
- →電子接点付きEマウントなのでEXIF情報が残るというメリットがある一方で、GFXでは使えない。収差補正リングの情報もEXIFに残るのかなぁ?
- ?Voigtlanderの常として、口径食は大きめだろう。ポートレートを名乗るなら口径食は小さい方がいいなぁ。
- ?またVoigtlanderの常として、絞り形状がカクカクしているかもしれない。ポートレートを名乗るなら以下略。
- ?高価になりそうな予感もあるが、昔のHELIAR classicは安めだった気もする。
- ↓ 愛用のFA77mm F1.8 Limitedと立ち位置が完全に被る。これが致命的。
本末転倒なことを言うと、これを買うのであれば、それよりもULTRON 75mm F1.9 VMが気になる。レンズ構成図を見ると、FA77mm F1.8とよく似ているのである。まぁどちらも変形ダブルガウスというド定番なので、似ているレンズは星の数ほどあるだろうけどね。誰かがライカMボディを私にくれることがあったら、中望遠にはこれを選ぶだろう。そんな日は来ないけど。
AI AF DC-Nikkor 135mm F2D
DC-Nikkorには105mmもあるけど、私の単焦点レンズ群の最長はαなら100mm、GFXなら90mmなので、105mmよりはだんぜん135mmだろう。でもAPS-CならXF90mm F2を持っている。
- ↑ 中古は手が出せる値段。DじゃなくてSなら少し安いが、30年落ちが確定する。
- ↑ 135mm F2というのは私のレンズ群では、最大のボケ量となる。
- ↑ 絞り形状は割と円形。古い設計なのによくやっている。口径食は135mmにしては良くないけど、まぁ及第点。口径食を気にするシーンではXF90mm F2を持ち出せばよい。
- →GFXで使えるかどうかは、未確認。まぁ一眼レフ用の望遠だし、ほぼ蹴られないだろうとは思う。FF外の周辺画質は知らぬ。
- ↓?収差変更時の解像力低下が大きい気がする。Rに回すと後ボケが綺麗になるというよりも、ピント面もソフトレンズになる印象。
- ↓ 悪い意味で重厚長大。マウントアダプターを介して使うからどうせAFも使えないし、無駄な重量も大きかろう。
- ↓ フリンジは結構出るようだ。フィルム時代の大口径レンズだからなぁ。まぁ、FE100mm F2.8 STFやAPO-LANTHAR 90mm F3.5、XF90mm F2はフリンジが出ないので、必要ならそっちでカバー。
- ↓ 30年以上前の設計だと考えると大したものだが、今となっては解像が素晴らしいとは言えない。Z135mm F1.8 PlenaやSigma 135mm F1.8はおろか、中古では同価格帯のXF90mm F2とも全く勝負にならないだろう。どうしても望遠単焦点は、トリミングにも耐えうる解像を求めてしまう。自分の中で、その辺の意識の切り替えができれば問題ないのだが。
(番外)RF100mm F2.8 L MACRO
Canonからも球面収差をコントロールするSAリング付きレンズが出ているが、私はCanonユーザーじゃないしなぁ。ついでに言うとAPDエレメントの入ったRF85mm F1.2 L DSも出ている。こういう王道じゃないレンズってCanonらしくない気もするけど、楽しいのでよし。描写は調べていないので、知らない。
買った
ということで、これまでに色々売ったときのポイントがまだ余っていたので、DC-Nikkorを買ってみた。もう値段の安定している古いレンズだし、1年くらい使って、気に入らなくて売ってもそこまでの持ち出しにはならないだろう。なお、そろそろあれこれのポイントはほぼ尽きたので、今年の購入ラッシュはこれで終了。
作例
ここから先はGFX50S IIに付けて、撮って出し。FF換算108mmくらいの画角。4:3ではちょっと蹴られるので、3:2で撮影した。4500万画素くらい。
1995年発売のレンズだが、シリアルは5から始まる個体なので、製造は2006年以降だそうだ。2016年くらいまで製造していたのかな?
Monster Adapter LA-FE2を使えばαでAF撮影できるのか。ちょっと気になるが、さすがに高いので要らないな。AF Nikkorレンズをたくさん持っている人なら価値があるだろう。
こういうシーンではDCリングをRに回し・・・
ピント位置と構図を変え、DCリングをFに回す。良い。でもDCリングを回すとピント位置が大きく変わるので、正確に言うとDCリングを回してから、ピントを合わせるという順番になる。ちょっと面倒。
ちょいF寄りが一番普通な写りになる。この写真はニュートラルかな?
ニュートラルでもかなり滲む。Rに回すともっと滲む。
いつも滲む距離、ピント位置、光を探して撮っていたが、このレンズだといつでも自在に滲ませられる。イージー。桜とか撮ってみたい。
輝く石段。ちょっと滲み過ぎかな。下品かも。
花や女性ポートレートなら、多分この滲みは非常に良いだろう。しかし、どうやらピント面をシャープにしつつ、背景ボケを美しくなだらかにすることはこのレンズにはできないようだ。
やはりそういう用途ではXF90mm F2がはるかによく、それぞれ棲み分けができそうだ。
キリっと写したければ、少し絞って、ちょっとF側に回すのが良いだろう。