Eマウントデビュー?

 意を決して、レンズを7本売って3本買った。手元にはα7C IIやZfあたりが買えるくらい(買わないけど)残った。α7Cを買って2年半だが、これで私もとうとう本当の意味でαデビューだ。2年半前、私がSonyの人になるとは思ってもみなかった。

 買ったのは予告通り①Sony FE 100mm F2.8 STF GM、②Tamron 20-40mm F2.8、③Planar T* FE 50mm F1.4 ZAである。もちろんSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAも残してあるので、このEマウントは4本だ。

 Sonnar以外はどれもデカいレンズなので、レザーケースは常用しようと思う。これで小指がかかるようになるが、正直、手の形とピッタリは合わない。

 サブのつもりで買って、いつしか私の中でのメインの座を奪い取るというパターンは、2013年に買って2015年頃にメインになっていたX-E1以来。


FE 100/2.8 STF GM

ボディ(レザーケース付き)よりもレンズの方が高さがある

 FE 100/2.8 STFはグリップがあった方が安定しそうだが、レンズ内手振れ補正もあるので、多少プルプルしても問題ないかも? 近接モードと遠距離モードで切り替えるのはちょっと面倒だが、かなり寄れるのは良い。デュアルレンジSTF?

 開放F値は2.8だが、T値は5.6なので、被写界深度の割にISO感度は上がりがち。日中の屋外は問題ないけど、暗いところは注意かな。

FE 100/2.8 STF GM + AFスポット選択 + AF-C

 これこれ、このボケはAPDだわ。知ってる。私にとって中望遠はFA77/1.8 Limitedがあるので、これくらいボケ質の違うレンズでないと所有する意味がない。

FE 100/2.8 STF GM + MF

 約10年使ったXF56/1.2 APDからの買い替えになったが、これは文句なしに満足だ。フレアは出ないわけでもないので、必要に応じてフードは使おう。

FE 100/2.8 STF GM + AFエリアワイド + AF-C

 やはり重さは結構ある。撮影時のホールドはともかく、どちらかと言えば鞄に入れて長時間持ち運ぶと肩や腰にくるかもしれない。

FE 100/2.8 STF GM + AFエリアワイド + AF-C

 バリアングルモニターでライブビュー撮影。バリアングルは、縦位置は問題ないんだよなぁ。問題は横位置。ワイドエリアのAFは思ったところに来た。えらい。

FE 100/2.8 STF GM + AFエリアワイド + AF-C

 AFはそんなに速くないので、AF-Cで飛ぶ鳥の追尾は厳しいが、歩く鳥は問題ない。そりゃそうだ。

FE 100/2.8 STF GM + AFエリアワイド + AF-C

 こういう時(↑)、フルオートでは意図したところにピントが来ないよね。一番手前の部分にAFが合ってしまう。知ってた。

FE 100/2.8 STF GM + AF拡張フレキシブルスポット(トラッキング) + AF-C

 動物認識はX-T5の方が上かな、と思った。猫を全然認識しない。さすがに2世代くらい前のカメラだしね。だがフジの場合は、認識して枠が出たからといってAFが合うとは限らないのが罠。

 なおSonnar 55/1.8で試した限り、人物認識は特に問題ない気がする。

FE 100/2.8 STF GM + AF拡張フレキシブルスポット(トラッキング) + AF-C

 今更だが、AF-C+トラッキングが素晴らしいことに気づいた。中央(他も選べるけど)でシャッター半押しした後、カメラを振ったり引いたり寄ったり、構図を変えても最初に選んだ場所にAF-Cし続ける。これはコサイン誤差を克服したAFロックの革新だ。αでまともなAFレンズを全然使ってこなかったので、こんなの知らなった。


TAMRON 20-40mm F2.8 Di III VXD

Tamron 20-40/2.8

 しかしTamronの軽いこと。FE100/2.8 STFから持ち替えると、びっくりするわ。Tamronレンズは相当久しぶりだが、相変わらずフロントキャップは素晴らしく、相変わらずリアキャップはダメダメだなぁ。

 Tamronのレンズを所有するのは通算4本目だが、実はSigmaのレンズとは縁がなく、買ったことがない。DP2xとDP2Merrillは使っていたけど。

Tamron 20-40/2.8 (20mm F8)

 間違いなく超広角だ。私はXF10-24/4でも21mm相当より広角はうまく扱いきれなかったので、20mmまでで十分だと思っている。XF10-24/4は2年ちょっとしか使わなかったが、今が売り時だと思ったので、売った。

Tamron 20-40/2.8 (28mm F2.8)

 F2.8なので、ボケ量も結構ある。これは2段暗いXF10-24/4ではできない芸当。ボケも癖がなく綺麗。愛着が湧くかは微妙だが、とにかく便利だと思う。

Tamron 20-40/2.8 (36mm F5.6)

 そして十分寄れる。これは望遠端に近いけど、広角端で寄り切るとHoodがFoodに当たる。

Tamron 20-40/2.8 (28mm F4)

 フレアは出ないし、色ずれも少ない。広角としては重要な性能である。でも絞りリングがないのは不便だなぁ。

Tamron 20-40/2.8 (20mm F5.6)

 20mmは文句なしに広い。超広角は難しい。

Tamron 20-40/2.8 (20mm F2.8)

 フードの深さは広角側の画角で決まるが、ゴーストが出やすいのは望遠側であった。望遠側でこの浅いフードは全然効果がないので、雨が降らなければフードなしの運用で良いと思う。


Planar T* FE 50mm F1.4 ZA

 私にとってPlanar の50mm F1.4というレンズは3本目である。だがレンズ構成は、大きく見たらDistagon(レトロフォーカス)っぽくて、無理やり前後を分解して見たらPlanarの後ろにDistagonでもくっついてるんか?というようにも見える。

Planar T* FE 50mm F1.4 ZA (F2.8)

 Otus 55/1.4に端を発するあまりに重厚長大な大口径標準レンズは、長らく受け入れがたかったが、それは古のダブルガウスの50/1.4にとらわれ過ぎていると反省した。50/1.4は今や、35/1.4や85/1.4と同じく特別な高級レンズなのだ。しかし小型軽量なダブルガウスの50/1.4が消え去るのであれば悲しい。

Planar T* FE 50mm F1.4 ZA (F1.4)

 ともあれ、新しいものを使いもせずに頭ごなしに否定する、前進や挑戦を忘れた人にはなりたくない。なので、1本使おうと思い、私の新しい一歩にもっともふさわしいレンズは?と考えた結果、このPlanarが選考をトップ通過した。

Planar T* FE 50mm F1.4 ZA (F1.4)

 で、実際に使ってみての感想は・・・開放からの圧倒的な切れ味、ダブルガウスのPlanarではなしえないボケ味、品格を感じさせる美しい描写。絞りリングがあるので、操作性も良い。・・・文句ありません、すみませんでした。

 さすがにボケ量はしばらくF1を常用していたので、F1.4はまぁこんなもんかという感じ。とはいえ、やはりピントは薄い。AFは遅くはないが、今どき速いとは言えない。Sonnarの方が速い。

Planar T* FE 50mm F1.4 ZA (F1.4)

 色味はちょっと青い。AWBなのにレンズによって色が変わるのは不思議ではある。

Planar T* FE 50mm F1.4 ZA (F2)

 Sonnar 55/1.8 ZAよりも10cm寄れるので、食べ歩きでの食べ物片手AF撮影もOK。Sonnarは最短撮影距離が遠すぎるため、変な体勢で手がプルプルしたが、Planarは重すぎるため手がプルプルした。

Planar T* FE 50mm F1.4 ZA (F1.4)

 描写の好ましさも大きいが、最大の決め手は周辺光量だった。せっかく現代的なレンズを使うなら、口径食にもこだわりたい。なお、下の写真はすべて後ろボケを見ているが、前ボケはもうちょっと口径食が大きい。まぁ仕方ない。

Planar 50/1.4:50mmにしては口径食はかなり少なめ
比較用 Sonnar 55/1.8:口径食は普通
比較用 FE 100/2.8 STF:口径食はほぼない

 これももう9年も前のレンズだが、これからはF値や周辺光量、性能優先の場合はPlanar 50/1.4、AF速度や小型軽量優先の場合はSonnar 55/1.8のZeissコンビを私のメインレンズとして使っていきたい。


その他

 まともなレンズでのAF-C+トラッキングは良いものだ。やはり腐ってもα7シリーズ、やるではないか。今後もMFレンズはいっぱい使うのだが、今回MFレンズ用とAFレンズ用が1台のカメラに集約されたのは、なんだかすがすがしい気分だ。

 売り時だと思ったからXF70-300/4-5.6も売ってしまったけど、替わりの品は買っていないので、必要になったら検討しよう。今のところFE 70-300/4.5-5.6 Gが最有力候補だけど、ちょっと重いんだよなぁ。そのうちもっと良いのが出るとか、70-300がII型になって、旧型が値崩れするとかあるかもしれない。

 AFレンズはこの望遠ズームを買ったら終了の予定。この来るべき望遠ズームを含めて全24本、悪くはない数字だ。

 800g級の重量レンズを扱うには、今の18mm幅レザーストラップではちょっと心許ない。でも従来通り、NOKTON 35/1.4などでスナップにも使うので悩ましい。とりあえず、ぼろいけど以前使っていた28mm幅のレザーストラップに戻してみた。