画像の対角長が半分になるようにトリミングしたら、焦点距離が2倍になったのと本当に同じか?という問題の再検証。
広角レンズをAPS-Cやフォーサーズ等で標準レンズ相当として使ったとき、その画角は一緒であっても、パースペクティブ(奥行き感)は広角レンズのものであり、標準レンズとは違う、と主張する一派がいるが、そんなことないよね?という検証。
以前、3DCGで検証したことはあったが、実際のカメラ撮影結果でも同じか、試してみた。ただしちょうどいい広角レンズがないため、50mmと100mmで試した。使用したのはそれぞれPlanar T* FE50mm F1.4 ZAとFE100mm F2.8 STF GMである。
①:まず100mm F22にて撮影した。ボケ質や周辺光量などの影響を排除するため、絞っている。もちろんSTFの影響も排除できている。

②:同様に50mm F11にて撮影した。トリミング後の相対的なボケ量を①と同等にするため、F値は①の半分としている。なお、部屋が汚いため、周辺は後処理でぼかしている。

③:②を100mm相当に(縦も横も半分のピクセル数となるように)トリミングする。総ピクセル数は1/4になるため、6000万画素→1500万画素である。

④:③と①を比較する。ぱっと見、一緒に見える。

⑤:①と③の差の絶対値を取る。ほぼ完全に真っ黒になった。つまり①≒③であると言える。

微妙にエッジが残っているのは、歪曲収差などによりピクセル単位では位置が合ってないことや、ピント位置のごくわずかなズレによって各部でのボケ量がわずかに異なることなどによる、と思うが定かではない。ピント位置は後ろのイケゴルで、手前の熊はちょっとボケているためか、熊の方がよりエッジが残っている。
なので、実焦点距離が広角レンズだから云々と言っている人が何かを感じ取っていたとしたら、単に同じF値ならボケ量が少ないとか、広角レンズとして設計されたレンズは解像重視でボケが硬い傾向にあるとか、歪曲収差などの各レンズ固有の特性であり、それは「実焦点距離が広角レンズだから」ではない。
ということでクロッピングズームや、APS-Cなどの焦点距離のFF換算というのは、確かにFF換算できていることが再度確認できた。もともとこうなることは信じてはいたけど、すっきりした。
そのうち、前述の記事などは加筆修正したいなぁ。