それともモノクロは甘えなのか?

私のイメージはこのような感じ。写真の良さという観点において、カラー写真の中央値に対して、モノクロ写真の中央値の方がはるかに高いと思う。しかし、上限はカラーの方が高いと思う。これは単に私の個人的な意見だ。
この時点で異論がある人も多いだろうけど、「写真の良さ」なんてもの自体が普遍的ではなく、私にとっての「写真の良さ」はそうなのだ、としか言えない。
で、100点を目指さず、比較的安易に得られる80点台で妥協しているという意味で、モノクロは甘えだと思っている。言うまでもなく、私もよく甘えている。誰に甘えているのかというと、もちろん自分自身に。
モノクロについて
見る人が脳内で勝手に理想的なカラーに変換して見る、もしくは見る側はカラーを意識しないため、見る側の脳内ではカラーバランスに問題は生じない。
被写体と構図以外に考慮すべき要素はトーン(階調)や粒状・ノイズくらいしかなくシンプルだが、逆に言うと上を目指すために使える手段もそれしかない。だからトーン、被写体、構図を徹底的に磨くしかない。
上図の分布の横幅を狭くしたのは、大きな減点もないが、大きな加点も得にくいと考えたため。
トーンはある程度、加点要素として利用できる。
もちろん、トーンは上記記事のようなグレースケール1chのトーンカーブの調整だけではない。カラーごとのトーンを調整後にモノクロ化(彩度をゼロに)することもできる。モノクロフィルムやモノクロセンサーで物理的なカラーフィルターを付けるのもその一つ。モノクロフィルムもカラー(波長)ごとに感光特性が違うだろうし、フジのフィルムシミュレーション(F/S)のAcrosは間違いなく、カラーごとのトーンが調整されている。まぁ、そうでなければF/SでモノクロとAcrosの両方を用意する意味がない。
モノクロは想像力を掻き立てる、というのは確かにある。写真はモノクロだが、見る人は何らかの色を想像しており、頭を使っているので、より印象深い写真になる、というのはあるかもしれない。
私はこのカーテンが何色か知っているが、他の人は知らないので、何色に見えるのやら。「青です」って言えば青に見える?
一方で、写真の本質はモノクロだと私は思っている。というか正確に言うと、光の当たり方と、それによる立体感であり、そこにカラーは関係ないと思っている。なお、ここでいう写真は、記録や証明のための写真ではないもののこと。
光の当たり方が良ければそれだけで写真は成立し、光の当たり方が悪ければそれだけで観賞に値しなくなる。・・・と思っている。
カラーについて
カラーバランス(ホワイトバランス、グリーン・マゼンタのバランス)が崩れていたら大きな減点要素となるが、整っていてもそれが当たり前。加点はない。
それぞれ左はカラーバランスが良くないので印象は悪いが、モノクロにすればこの減点を食らうことがない。右のモノクロがいい写真だとは思わないが、相対的には多少マシだ。
なお、上記の桜の写真は「ネガだから」という免罪符はある。しかしキタムラのフィルムスキャナーの設定は、これでいいんか? そのうち自分でスキャンする。
最も単純に、カラーの方がいいと思えるのは、その鮮やかさを見せたい場合だ。
モノクロも悪くはないが、せっかく鮮やかな赤と紫の主題や、夕焼けと青空の対比がある場合などは、どちらかと言えばカラーの方がいいと思う。鮮やかさ、カラフルさはカラー写真の大きな武器だ。・・・当たり前だな。
色の鮮やかさやカラフルさをモノクロで表現したい、となるともう、見る人の事前知識(郵便ポストは赤いものだ、とか)に依存するしかない領域なので、あまり普遍性はないのかな、と思う。
カラーバランスがダメだと減点で、整っていても加点はないと書いたが、それに矛盾するようだがカラーをいじることによる加点というのは不可能ではない。
夕焼けをより赤くする、緑の暗部を青にシフトする、シャドウをシアンに転ばせる、赤をオレンジ側にシフトさせる、一部の色相のみ彩度を下げる/上げる、など人為的にカラーをいじり、バランスを崩壊させずにバランスを変えることは可能だ。フィルムシミュレーションはその代表例だ。使い古されてもなお、ティール&オレンジもその一つだ。
しかし下手にいじると、すぐ崩れて減点要素になる。ハイリスク・ハイリターンだが、ここを攻めないとモノクロを超えるための加点は難しい。
なお、ティール&オレンジやフジのクラシックネガは流行しすぎてもうみんな食傷気味で、色をいじっているのが見え見えで鼻につく、単純に見飽きたなど、外的な加点・減点もカラーでは起こりやすい気がする。モノクロにも流行り廃りはあるのかもしれないが。
私の雑な結論
モノクロは素点が高く、減点要素も少ないが、加点を得るのも難しい。カラーは素点が低く、減点もよくあるが、色々と加点が可能。どっちかと言うと、私にはカラーの方が難しいと思う。
また、私は挑戦しているときが一番楽しいと思っている。基本的にはモノクロの上限を超えるようなカラーを撮ることに挑戦したい。でもたまにはモノクロに甘えるのもよし。












