MマウントレンズをGFXボディに付け、ヘリコイドを繰り出してレンズ本来の最短撮影距離よりも接写できるようになるマウントアダプターである。
GFXでMマウントレンズを使うことは少ないが、GFXとMマウントレンズ自体はよく使っている私としてはとても気になったので購入。だが、問題がいくつかある。
1つ目の問題は、GFXで一番使いたかったNOKTON 50/1 VMを付けようとすると、マウントアダプターのヘリコイド固定用のねじ(1枚目の写真の右上の出っ張っているやつ)がレンズと干渉して付かない。レンズが太すぎるのだ。・・・ねじを取り外した。
左がレンズ本体での最短(約0.9m)、右がレンズもアダプターのヘリコイドも最短(約0.53m)。かなり寄れるようになる。
ただし操作性は劣悪。ヘリコイドをロックできないので、レンズ本体のフォーカスリングを回そうとしたら、一緒にアダプターのヘリコイドも回ってしまう。Voigtlanderのしっとりしたフィーリングが仇となっている。
でも最短0.9mは辛いので、しばらくこれで使ってみようかな。なおこのレンズは、レンズ本体での最短よりも近づくと、かなり滲む。レンズのフォーカス位置に関わらず、マウントアダプターのヘリコイドを繰り出すと滲む。ほわほわ。逆にF1.0の癖に0.9mでも滲まない元々の性能が規格外なのだが。
2つ目の問題は、COLOR-SKOPAR 28/2.8 (Type I) を付けようとすると、レンズのフォーカシングノブがマウントアダプターと干渉する。レンズが薄すぎるのだ。これはまぁ、LM-EA9とかでも起こっていた問題。フォーカシングノブのロックを取り外したら付く。
どうでもいいが、このマウントアダプターは回転ヘリコイド(レンズごと回る)であり、COLOR-SKOPAR 28/2.8も回転ヘリコイド(前玉ごと回る)なので、レンズの前玉が回る回る。写真は左が無限遠。真ん中はレンズでの最短(約0.7m)。右はレンズもアダプターも最短(約0.27m)。270度くらい回ったかな。
レンズ単体でも劣悪な操作性(だがそれがいい)が、さらに酷くなる。さすがにそれはちょっと・・・。これはαで使おうかな。
3つ目の問題というか懸念は、周辺画質が落ちるかもしれないこと。APO-LANTHAR以外のVoigtlanderレンズは、ヘリコイド付きマウントアダプターを介してE, X, Zマウントのボディで使うことを(ある程度)想定して設計されていると(勝手に)思っているが、GFXはそれらよりもカバーガラスが厚いと言われるので、多分影響を受けやすい。
ライカM並みにカバーガラスが薄くて、ヘリコイドを繰り出せるシステムを持っていない、というかたぶん実在しないので、検証のしようがない。Eマウントとの比較くらいならできるだろうけど。