昨今のコシナレンズの原点にして頂点。今まで気にならなかったわけではないが、同じNOKTON classicの35/1.4 IIを持っているしなぁ、ということで敬遠してきたが、ついうっかり中古の出物を見てしまい、お迎えした。
NOKTON classicの35/1.4 IIはMC版を持っているので、40mmは当然SC版を選んだ。そう、当然である。
全写真、RAWで撮って現像時にいじっているので、作例とは言えないので注意。私の中のNOKTON classicのSCならこういう画になってほしい、という撮影時のイメージを優先している。全部同じ自作LUTを当てて、それぞれトーンカーブをいじっている。
35mmとよく似た癖を持っているが、当たり前だが一緒ではない。ボケはわずかにこちらの方が柔らかい気がする。
その代わり、開放での合焦部のキレは35mmには及ばない気がする。35mmは球面収差をかなり補正しているように見えたので、その分だろうか。こちらは球面収差がより残っており、合焦部もほわっとする。いわゆる芯がある滲みではなく、ピントの山が丸い、というのか。
もちろん、絞るとかなりキリっとする。
35mmと同じく、合焦部の少し手前はきれいに滲む。だが、40mmは合焦部も緩めなのが違いだと思った。
色はSCの方がわずかに黄色め、MCはニュートラルかちょっと赤めに出ると言われるがまぁ、これらの作例では色をいじっているので分からない。WBを固定して撮り比べ、とか面倒だし、無粋だし、いいや。
35mmと違って虹色フレアが出にくいような気がする。この写真ではないが、35mmだとこの角度で出るんだけどなー、という条件でも出なかった。
40mm F1.4というスペックは私史上初めてだが、やはり50mm F1.4とも35mm F1.4とも違うものだ。だがF1.4であれば、多分30mmでも40mmでも50mmでも60mmでも、同じように楽しく撮れる気がする今日この頃。
またLM-EA9でAF(中央一点)すると、ピントがジャストのところに来ないことが割とあった。35mmは問題ないんだけどなぁ。ピントが丸いことが影響しているのかなぁ。諦めてMFしたケースもある。
かといって最短70cmで使うのは厳しすぎるので、今後このレンズはヘリコイド付きアダプターでMFしようと思った。なお、全群繰り出しのレンズなので、これらのマウント面を前後させるフォーカス機構で問題ない。
ここまでLM-EA9、以降は5mm繰り出しヘリコイドアダプター。
フードは35mmと同じく純正LH-6が使えるので、共用することにする。しかし35mmと40mmで見た目がそっくりすぎるので、絶対そのうち間違えて持ち出すことだろう。別にいいけど。
相変わらず、自転車を撮ってしまう病。
酒瓶も撮ってしまう病。
気のせいかもしれないが、歪曲は35mmより少ない気がする。フリンジは35mmと同じく、盛大ではないが出ることは出る。今回の写真はすべて歪曲もフリンジも補正していない。
確かに解像感は低めだが、これを新品で買えるオールドレンズ、と呼ぶ気にはならない。オールドレンズと一口に言っても様々あるけど、これは違うだろ。
これは現代技術(といっても20年前だが)で、最高に気持ち良い収差バランスを実現した、もう一つの現代レンズだろう。・・・気持ちいい。
数値性能ではなく撮影結果にこだわったレンズ、というとPentaxのFA Limitedもそういう触れ込みだが、方向性は全然違うけど確かにどっちも大好きだ。
2日目はモノクロでも撮ってみようと思っていたが、忘れていた。また今度。
これで3.6万円は安すぎだろう。マストバイ。ということで、今年は以上。また来年。
・・・酷い2024年の締めくくりであった。