全然使い込んでいないが、レンズ雑感。また35mmか、と思うが今回はフルサイズの35mm。
- レンズ:Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4 E-mount(売却済み)
- レンズ:Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4 II MC VM
- 評価:87点(暫定) → 91点
Noktの名は、レンズ沼界隈では魔力を持つ。その名の通り、夜の写真多めで記事を構成したい。ちなみに、VoigtlanderはF1.5以下のレンズをNOKTONと呼んでいるようだ。
オールドレンズ専用の予定で買ったSONY α7Cだが、その後、どうしても気になり購入。なお、伝説的な対称型6群8枚を現代の技術で・・・ということだが、オマージュ元の8枚玉は良くは知らない。
ミラーレスだと、絞りによって絵が変わるのがリアルタイムに如実に見えるのが面白い。
Voigtlanderと言えばAPO-LANTHARもあるが、あちらは収差ゼロを目指すレンズに対し、こちらは意図的に収差を導入するのである。まぁ、一言に収差と言ってもいろんな収差があるわけだけども。
7 artisans 35/1.2はザ・オールドレンズといったレンズだった。一方、このNoktonはオールドレンズのいい味(癖)だけを抽出して、現代レンズに注入した感じ。
コマ収差や色収差のような嫌な収差は少ないが、開放での球面収差によるにじみや周辺減光は大きい。オールドレンズジャンキーには物足りないだろうけど、私はこれは素晴らしいと思った。歪曲収差は少ない方が良かったが、まぁ補正すればいい。
焦点距離35mmという画角は、写ルンですみたいなもので、便利だが魂の入らない画角という印象を持っていたが、このレンズに出会って意識を改めた。35mm・・・なんか使えるようになった気がする。
大きな周辺減光と、合焦部からにじむのがオールドレンズ感。ちなみに特に周辺部は点光源の後ろボケに縁取りが出るし、フォーカスシフトも大きくないので、それなりには球面収差を補正しているのだろう。多分。
認めよう、これは夜な夜な持ち出したくなるレンズである。
追記2/8
E-mount版は売却して、VM (M-mount)のII型マルチコート版を買った。I型VM→E-mount版でフォーカスシフトがかなり抑えられるようになって、E-mount版→II型VMは基本的には変わっていないようだ。
ということで同じレンズだが買いなおしたのは、一つは私の持っていたE-mount版がちょっと電子接点の調子が良くなかったのがストレスだった(調子のよくない電子接点なら、ない方がマシだ)ことと、もう一つはMマウントだとLM-EA9でAFレンズとして使えること。LM-EA9またはSHOTENのヘリコイド付きアダプターを使っているので、最短撮影距離も文句はない。
コシナはマウント違いで、センサーのカバーガラスの厚さに合わせて最適化をしているらしいが、周辺まで見ても描写の癖に差は感じられない。当然、樽型に歪曲するのも同じ。周辺光量落ちはVMの方がほんの少し多いように感じるが、元々激しく周辺減光するレンズなので、大差ないと言える。最大の違いは、外観かな。
35mm F2や31mm F1.8は散々使ってきたが、35mm F1.4になると全然世界が違うことに驚いた。このレンズが素晴らしいのか、35mm F1.4というスペックが総じてそうなのかは分からないが、かなり楽しい。しばらく、α7Cに付きっぱなしになっている。ということで、暫定だった点数を少し上げて
- レンズ:Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4 II MC VM
- 評価:91点
私の中では標準ならFUJINON XF35/1.4、中望遠ならFA77/1.8 Limitedがベストレンズだと思っているわけだが、中広角ならNOKTON classic 35/1.4と、そこに名を連ねる勢いで気に入っている。