PENTAX-FA 35mm F2 AL雑感

 APS-CのPENTAX機では必携の一本だった。現在は本来の中広角として。

  • レンズ:smc PENTAX-FA 35mmF2AL
  • 評価 :76点(APS-Cで使用時の評価)

 APS-C時代には標準レンズとしてよく使っていた。これを買うために、初めてAmazonにユーザー登録した気がする。一度は手放したが、心のどこかで引っかかっていた。手放すべきじゃなかったんじゃないだろうか、と。

 同じレンズの2本目を買って、そのうち1本を手放すというのは何度かやったことがあるが、一度売ったレンズをのちに買い戻したのは後にも先にもこれだけである。

 以前使っていたのは、新品で買ったが10年以上使い込んでいたので、外観はかなり使用感があった。買いなおしたのは、以前使っていたのよりもシリアルが古い中古だが綺麗。ついでに、売った時よりも安く買えた。

 昔は隠れスターレンズなんて言われていたが、性能はさほど高くはない。だが軽量で、値段も安く、中心は解像度も高く、前も後ろも素直なボケで、当時のPENTAXユーザーの大半が一度は使ったのではないだろうか。

 開放では周辺はあまり解像しないため、フォーカスの山が分かりにくい。35mmと広角の引き延ばし感もさほどないため、端に被写体を置きたいこともあるが、ちょっと困る。歪曲は少ない。

 以前は星景写真なんかも撮っていたが、フリンジが酷くて、コマ収差も酷くて、周辺減光も普通にはあるので、このレンズは星には向いていない。下の写真は*ist DSを赤道儀に載せてISO800で約70秒露光・・・時代を感じる。APS-Cでもこのコマ収差と言うことは、フルサイズだとどうなることやら。

 六角形のカクカクの絞りは・・・嫌いだ。FA Limitedレンズ3本はHDコーティング化されたときに円形絞りに変更されたが、FA35はHD化後もカクカクの6枚絞りのままのようだ。絞り形状がこのレンズの最大の不満点である。

 フルサイズに移行してからはFA Limitedばかり使っていたので、出番はほとんどなく、また当時は35mmという画角に苦手意識があり、X-T2を買う資金としてK-5と一緒に売ってしまった。

 これからはマウントアダプターを介してフルサイズで、本来の中広角35mmレンズとして使っていくことだろう。

 開放では柔らかく、絞れば結構シャープ。・・・これはもはやオールドレンズの売り文句になってしまったが、こいつももう十分オールドレンズか。

 35mm F2と31mm F1.8は、足ズームすれば(というか体をちょっと前後させれば)ほぼ同等のボケ量を持つ。画角も大差ないけど。

 個性は薄めだが、嫌味さ、下品さがない。

 また35mmの話しているよ、この人。