Planar FE50/1.4 ZA雑感

 このレンズはすごい。でかくて重い以外に欠点が全くない。それでいてボケ味や周辺光量などは突出したものがある。

レンズ:Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
評価 :97点

 昨年、メインシステムをXマウント(APS-C)からEマウント(FF)に入れ替えるにあたって、私に最もふさわしい標準レンズは?と考え抜いた結果、これを選択した。それから1年経ったが、間違っていなかったと思う。

 私は50mm F1.4といえばダブルガウスの軽量コンパクトなレンズを思い浮かべる世代で、Otus以降の巨大なレトロフォーカスのレンズは嫌悪していた。しかし、使いもせずに嫌うというのはもはや老害ではないか、と思い直し、一歩踏み出すならこのタイミングだと考えた。

 せっかくのαなのだからAFは高速で高精度なのがいい、となるとSonyかSigmaだろう。SonyにはFE50/1.2GMとFE50/1.4GM、FE50/1.8、FE50/2.5G、FE50/2.8MacroそしてこのPlanar FE50/1.4ZAがある。Sigmaには50/1.2 DG DNと50/1.4 DG DN、50/2 DG DN、少し古いが50/1.4 DG HSMがある。

 これほど膨大な選択肢の中から、私がこのレンズを選択した最大の理由は、単純に写りである。たくさんの作例を見るに、一番好みだと感じた。しかもまぁまぁ古いレンズだから、価格もかなり落ちてきている。

 そしてもう一つの決め手は、周辺光量である。↑の写真は絞り開放である。これだけ光量があるのなら、このデカさもやむなし、と思える気がした。

 GMの2本はとにかく周辺光量がない。Sigmaの50/1.2も、新しい50/1.4も似たようなものだ。50/1.4 DG HSMはPlanar以上に周辺光量があるが、超巨大だし、写りもあまり好きでなかった。

 ということでたくさんのレンズを売り払い、昨年1月に3本のEマウントレンズを買った。そのうちの1本がこれである。明日でちょうど1年である。

 SonyなんだからAFには期待している。そしてその期待通り、動き回る猫の瞳も捉え続ける。また、α7CRの60MPにも十分耐える解像力も申し分ない。

 このレンズ構成のどこがPlanarなんだよ?とは思うし、Planar T* 50/1.4 AEJやZF.2を使ってきた身としては、写りを見てもあれらのような癖はまったくない。なので、いわゆるPlanarが欲しい人は、これを選ぶ必要はないだろう。

 しかし得も言われぬ立体感がある。Planarらしいかどうかはさておき、素晴らしい写りだと思う。品格がある。

 ボケ味はAPO的な無味無臭のものではなく、そのわずかな癖がコクを生んでいると思う。

 こんなクソでかいにも関わらず、昨年は冬の金沢、春の吉野、夏のカナダ、冬のイギリスと、遠出の度に持ち出した。それは何よりの信頼の証であろう。

 秋に買ったSummilux-M 50/1.4もとんでもなく素晴らしいレンズだと思うし、写りだけなら甲乙つけがたい。Summiluxは口径食も大きく、絞り形状もガタガタなので、点光源を背景に入れるならPlanarの圧勝である。サイズ・重量はPlanarのぼろ負けだが、SummiluxもMマウントレンズにしてはゴツくて重い。

 Planarは絞っても円形を保ち、F2.5くらいで全域でほぼ口径食がなくなる。これは本当に素晴らしいことだ。↑の写真は端まで光源がないため、F2で撮影。

 非球面レンズは使っているが、点光源の中に年輪ボケも出ない。このレンズなら、背景のイルミネーションも恐るるに足らず。こんな標準レンズがずっと欲しかった。

 このレンズのためにαのボディを使う、というのも十分ありだと思う。それくらい使う理由のあるレンズだ。開放F1.4も悪くはないが、F1.6~F2.2あたりが最高に美味しい。絞りリングもあるので、その操作性もいい。

 世の中には質感をうまく表現できるレンズ、できないレンズがあると思う。無理やりシャープネスを上げたようなレンズでは、質感がうまく出ない気がしている。このレンズは良い。

 レンズのフレアではなく、バスの窓のフレアである。逆光耐性も高いし、フリンジも出ないし、周辺画質もいいし、性能的な弱点はどこにもない。

 AFは爆速ではないがほどほどに速く、正確で、AF-Cで被写体を捉え続ける。シャッターチャンスを逃したくないシーンでも、安心して使える。

 写りは100点、サイズ・重量で-3点・・・かと思いきや、写りは120点くらい、サイズ・重量で大幅減点して最終的に97点くらい、である。・・・なので、私の体力が衰えていけば、それに比例して点数は下がっていくだろうw

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