過去2本買って、2本とも手放したDR Summicron-M 50mm F2をもう一度だけ買ってみた。
眼鏡欠品で、室内撮影でさえも使い物にならないくらい激しく曇っていたため、とても安かった。LEDを当てるまでもなく、レンズをカメラから取り外すまでもなく、曇っているのが見えるレベル。
慎重に分解して、全レンズの両面を清掃したら曇りはすべて除去できた。完璧なレンズになった。ヘリコイドは手を入れるまでもなく良いフィーリングを保っていた。
賭けに勝った。とてもいい買い物をした。
内部に書かれたシリアルもすべて一致したし、何よりこれまで分解された形跡がなかった。以前の2本はどちらも過去に分解された形跡があった。
製造されて70年近く経つためか、前群と後群の間で分割する部分がめちゃくちゃ硬かった。回った瞬間、嬉しくて声が出た。
過去に使った2本とは比べ物にならない先鋭さ。これが本来のSummicronか・・・と感慨もひとしお。DRの光学系には、特に精度の良い選別品が使われたという噂もある。
まぁ素人の私の手が入ったことで、本来の・・・とは言えないかもしれないが。このレンズは手放さず、責任をもって使い続けようと思う。
雨の中持ち出して、撮り散らかして帰ってきた。過去にも使っていたレンズだから、癖はおおむね把握している。
周辺はさほど流れず、でも滲むように少し甘くなるのがSummicron 50mm F2 1stの本来の姿なんだろうな。以前の玉は流れていた。ちなみに中央付近はほぼ滲まない。
モノクロスナップが捗る。しかし捗りすぎるので、モノクロは一旦封印。モノクロは甘え。これだけ撮って出しで、ほかはRAW現像してクラシックネガ風LUTなどを適用している。
良い雰囲気だ。雨の気配が写っている。ほぼモノクロじゃねーか、というツッコミは禁止。
でもまぁ、Summicron-R 50mm F2は現代レンズとも渡り合える超性能だけど、こっちはオールドレンズかな。コントラストとか発色とか、何となく。
M10までは何かが干渉して付かなったが、M11では付くらしいし、そのうちEVF付きのM型ライカが出たら、寄れて便利なDR Summicronの人気は上がるのではないだろうか?知らんけど。今のところ不人気で比較的安い。沈胴Summicronの方が安いけど。
嬉しい誤算として、なぜかLM-EA9に取り付けることができた。以前の個体は2本とも付かなかったんだけどなぁ。↑はDRの最短から、さらにLM-EA9で接近している。
LIGHT LENS LABのフードを付けている。これを付けると先細り感が薄まって、見た目がかなり私好みになる。