店頭でR6 IIIとα7R VとZ5 IIとS5 IIを触ってきた。α7 Vは展示がないが、α7R Vと形は大体一緒やろ。

で、グリップの握り心地を確かめた。・・・いや、どれも激しく握りにくいんだけど。でもこれが各社が追及したエルゴノミクスの到達点なのか?世の中の人々はこれでいいのか?
一番握りにくかったのはR6 IIIだった。もう絶望的に手の形と合わない。そうだった、昔からCanon機は合わないんだった。α7R Vも合わない。Z5 IIとS5 IIはまぁ・・・我慢はできないこともないと思うけど、全然満足じゃない。
なお私の手のサイズは、手の付け根から中指までが17.9cmで、日本人男性の平均は18.3cmらしいので、それよりわずかに小さいが、ほぼ平均と言っていいだろう。女性平均の16.9cmよりは大きい。
私なりに、いろいろ考えてみた。
| カメラ | 主観的な握りやすさ | 前面 | 背面 |
|---|---|---|---|
| α7CR + エクステンショングリップ | ★★★★★ | 中指~小指まではグリップから浮くことなく、指先がボディ前面に突き当たることもない | 親指の付け根はボディの背面を押さえられる。片手で完全に固定したうえで、親指の第2関節から先は自由に動かせる |
| X-T5 | ★★★★☆ | 中指~小指の関節あたりはわずかに浮くが、指の腹はしっかりグリップに掛かる | 同上 |
| α7CR | ★★★★☆ | 小指が浮く分、薬指の位置が少し上がり、わずかに指先がボディ前面に突き当たる | 同上 |
| M11 | ★★★☆☆ | グリップ部はないのに、意外と指が浮かない | 親指の腹でサムレストを押さえることで安定はする。親指を使う操作系ではないから許される |
| X100V | ★★☆☆☆ | 中指~小指はグリップから割と浮く | しっかり挟み込めないため、片手で持ちながら親指でダイヤル操作などはできない。軽いから許されている |
| Z5 II, S5 II | ★★☆☆☆ | 形が若干合わないが、グリップから指が浮くことはない | 親指の付け根はボディ背面まで回り込まず、親指の腹で背面を押さえ付けるしかないため、親指は自由に動かせない |
| α7R V | ★☆☆☆☆ | 同上 | 同上+親指の付け根が当たる部分の角が痛い。しかも重い |
| R6 III | ☆☆☆☆☆ | 中指と薬指の先がボディに突き当り、痛い | 同上 |
| FE2, MX | ☆☆☆☆☆ | グリップ部がないので、中指と薬指の腹を強く押し当てるしかない | 重量は左手で支えて、右手の親指には仕事をさせないのが正だが、片手で持つなら力ずくでつまむしかない |
多分、グリップ部を除くボディの厚さが結構効いている。M11やX-T5は(私にとって)適度な厚さのためグリップ部の出っ張りが小さい or ないにもかかわらず、割としっかり把持できる。
一方、しっかりグリップ部がある今どきカメラでも、ボディが厚すぎると、中指~薬指の指先はボディに当たるわ、親指の付け根は背面に回り切らないわで、とても持ちにくくなる。

Canonは親指側にダイヤルはなく、上面のダイヤルを人差し指で操作することを想定しているので、親指は完全にボディを掴むために使わせよう、というコンセプトなのだろう。
良く見たらR6 IIIのマルチセレクター(ジョイスティック)もFujiやSonyとは全然違うところに付いている。親指の第一関節しか動かせなくても操作できるようにそこに配置した、と見ることもできそうだ。
さらにCanonはシャッターボタンがSonyなどよりも前にあり、そこに人差し指をかけると、そこからボディ背面までの距離はSonyなどよりも遠くなる。親指の付け根が背面まで回り込まないし、中指&薬指はグリップを回り切ってボディに当たるわけだ。私は人差し指よりも薬指の方が明らかに長い、というのも一因かもしれない。
日本人よりも手のでかい欧米人の男性向けのエルゴノミクスなのかな。
申し訳ないけれど、私は嫌いだ。
